*部品構造
-大部品: 調査船「秋星丸」 RD:63 評価値:10
--部品: 最初期に作られた調査船
--部品: 航路局の保有する公船
--部品: 秋星丸の由来
--部品: 海洋情報を集める船
--部品: いろいろな狙いがあって作られた
--大部品: 秋星丸の設備や艤装など RD:42 評価値:9
---部品: 海図と付属の道具
---部品: クロノメーター(船用基準時計)
---部品: 天測暦
---部品: 六分儀
---部品: 艦内電話
---部品: 航海情報記録装置(VDR)
---部品: 情報処理室
---大部品: ジャイロコンパス RD:3 評価値:3
----部品: 常に真北を指すコンパス
----部品: もちろん誤差もある
----部品: 電気信号で方位データを伝える
---大部品: 磁気コンパス RD:3 評価値:3
----部品: 磁力で方位を示すコンパス
----部品: 自差と偏差に注意
----部品: 本体はコンパスデッキにある
---大部品: スロットアレイアンテナ(航海用) RD:8 評価値:5
----部品: 回転する横長の棒のようなアンテナ
----部品: レーダーの基本原理
----部品: マイクロ波が使われる
----部品: SバンドとXバンド
----部品: パルス波(矩形波)で発射
----部品: 傾斜したスロットで水平方向の指向性を向上
----部品: 方位の測定について
----部品: 船の上部に設置されている
---大部品: 電気推進システム RD:7 評価値:5
----部品: 発電機の電力でプロペラを動かす
----部品: 複数の小型発電機
----部品: 配電盤からさまざまな機器に電力を送る
----部品: 電気制御で操作性が向上
----部品: 船内の配置の自由度を上げる
----部品: 騒音が少なく環境に優しい
----部品: プロペラへの伝達効率が悪く費用が高い
---大部品: アジマススラスター RD:4 評価値:3
----部品: 旋回するポッド推進器
----部品: 割と自由に設置できる
----部品: ポッドが360度旋回する
----部品: 送電ケーブルで船内スペースの自由度を上げる
---大部品: フィンスタビライザー RD:4 評価値:3
----部品: 水流を受け止める船の翼
----部品: 普段は船体に格納されている
----部品: 低速時や停船時には効果がない
----部品: 横揺れに対して自動で調整
---部品: バルバスバウ
---部品: ビルジキール
---大部品: アンチローリングタンク RD:2 評価値:2
----部品: U字型の水槽
----部品: 弁の開閉で水を制御
---部品: 探照灯
---部品: 航海灯
--大部品: 海洋観測の機材 RD:13 評価値:6
---部品: 風向風速計
---大部品: マルチビーム音響測深機 RD:9 評価値:5
----部品: 音響測深機とは
----部品: 扇状に発射される超音波ビーム
----大部品: ソナー RD:7 評価値:5
-----部品: 水面下の情報を得ることが出来る
-----部品: ソナー(SONAR)の仕組み
-----部品: 音は水中でよく響く
-----部品: 高周波と低周波
-----部品: ソナー用の振動子
-----部品: 海という環境による影響
-----部品: 海の生態系への影響に注意
---部品: 潮流計
---部品: サブボトムプロファイラー
---部品: 地震探査システム
--大部品: 非常時の対策について RD:3 評価値:3
---部品: 火災報知器や消火器類
---部品: 浸水対策について
---部品: 救命胴衣や救命ボートなどがある
*部品定義
**部品: 最初期に作られた調査船
秋星丸(あきほしまる)は、星風藩国の最初期に設計して造られた調査船である。まだ歴史の浅い星風藩国の最初期において、初の試みとなる造船にはさまざまな失敗や苦労があり、それらの結果としてついに完成した秋星丸は、歴史的には星風藩国で最初に造られた船とされている。
**部品: 航路局の保有する公船
秋星丸は、星風藩国の政府機関である航路局が保有する、いわゆる政府の公船である。また海軍の軍事機密にも抵触する可能性を考えて、詳しいスペックや設計図などは非公開となっており、民間での造船なども許可されていない。
**部品: 秋星丸の由来
星風藩国では、船に関して紅葉国から技術を学んでおり、そのため船の名前には紅や秋に関するものが多い。秋と星風で、秋星丸というわけである。
**部品: 海洋情報を集める船
秋星丸は、海図を作成するために必要な海洋情報の取得を目的として建造された船である。さまざまな観測機材を載せており、海流と潮流、水質、海底の地形や底質、地磁気などの情報を取得することが可能である。
**部品: いろいろな狙いがあって作られた
秋星丸は、海図の作成に必要な海洋情報の取得を第一の目的としているが、その他にも、海洋研究における貴重な情報の取得や、対潜水艦における重要情報の取得や、海底資源を発見する手がかりの発見など、そうした将来的に必要となる情報の取得も期待されて造られている。そういうわけで星風藩国の期待も大きい船であり、海図の作成以外でも、さまざまな調査のために運用される予定である。
**部品: 海図と付属の道具
海図には、航路上のさまざまな情報が詰まっており、船になくてはならない道具である。なお、海図と一緒に、船の現在地を測定するのに使う2つの三角定規(二等辺三角形と直角三角形)とディバイダ―(文具のコンパス)も付属している。
**部品: クロノメーター(船用基準時計)
クロノメータ(船用基準時計)は、航海において重要な時間を知るための、精度の高い時計である。船の揺れや温度の変化に影響せず、星風藩国の天文局の精度チェックにクリアしたものが使われている。また、天測航法の際には正確な時計が必要不可欠であった。
**部品: 天測暦
天測航行において必要となる、天体の位置と時間の関係について書かれた表。データ化されたものと、本になっているものの両方がある。星風藩国の天文局による作成。
**部品: 六分儀
天体を観測することで現在地を明らかにする天測航法において使用する道具で、水平線と天体の位置からその仰角などを明らかにするのに使用する。電気系統にトラブルがあった際に使用するのが基本だが、ジャイロコンパスなどの各種機器に誤差がないか確認したり調整するのにも使える。
**部品: 艦内電話
艦内連絡を行うための電話機が各所に設置してある。艦内はそれなりに広いため、こうした連絡手段がないと何かと不便なのであった。
**部品: 航海情報記録装置(VDR)
航海情報記録装置(Voyage Date Recoder)は、日付や時刻、船の位置や速力や方位、無線通信の記録など、船の各航海機器から出力されたデータを記録して、事故などを起こした際に原因を解明するための装置である。記録媒体を収めた容器は、炎や水圧、衝撃や貫通力に対して強い耐久力を持っている。
**部品: 情報処理室
秋星丸には、観測機器から送られたデータを記録して閲覧、解析を行うことが可能な情報処理室がある。この設備によって、陸に戻ることなく海上にいながらある程度の研究や解析を行うことが可能となっているのだ。海洋観測ブイである、そらみる君とアクセスする機器などもある。
**部品: 常に真北を指すコンパス
ジャイロコンパスとは、ジャイロスコープの方向保持性(回転の位置を保とうとする性質)と、プレセッション(ジャイロ軸に外部からモーメントを加えることで発生する歳差運動)を利用して、常に真北を指すよう調整されたコンパスのことである。磁力コンパスのように偏差を気にしなくても良く、方位信号を送るのに向いているため、方位測定の道具として優れている。なお、ジャイロコンパスには、コマ(フライホイール)を回転させる回転型や、振動する物体が回転することで発生する力を利用する振動型、光ファイバーや複数の鏡を使ってサニャック効果を利用した光学型などがある。その藩国の技術力に合わせたものが作られるだろう。
**部品: もちろん誤差もある
もちろんジャイロコンパスにも誤差はある。例えば、船の速度や緯度の変化、揺れや旋回による影響を受ける。これらはジャイロコンパスの種類によっては発生しないものもあるが、これらの誤差については、誤差を修正する機器や修正表などを使ったり、メンテナンスによって対応する。
**部品: 電気信号で方位データを伝える
ジャイロコンパスは電気信号で方位データを送るのに適しているため、さまざまな応用が出来る。例えば、船にジャイロ機構を備えたマスターコンパスが1つあれば、マスターコンパスからの電気信号によって動作するレピータコンパスを複数設置することで、いろいろな場所で方位を確認することが出来るようになる。また、オートパイロットやレーダーなど、さまざまな他の電子機器と連携できるという強みがある。
**部品: 磁力で方位を示すコンパス
磁気コンパスは、古くから羅針盤とも呼ばれる、地磁気を利用して方位を示す磁気コンパスである。いわゆる方位磁石と原理は似ており、磁石と方位や角度が描かれたコンパスカードに浮きを付けて、コンパス用の液体の中で自由に方位を示せるようにしたものである。なお、磁気コンパスは基本的に、ジャイロコンパスが壊れたり怪しかったりする時に使われる。磁気コンパスが示すのは地理上の方角ではなく、磁極による方角だからである。ちなみに磁気コンパスは地磁気によって動いているため、電気がなくても使えるコンパスである。もし何らかの異常があってジャイロコンパスの電気系統に異常が発生しても、この磁気コンパスだけは使えるというわけである。
**部品: 自差と偏差に注意
磁気コンパスは、船自体が持つ磁場の影響である自差と、磁場の極点(北磁極)と地理上の極点(北極点)の差異である偏差を計算した上で、きちんとした方位は測定しなければならない。ちなみに他にも、船の加速度の変化や旋回によって誤差が発生することもある。
**部品: 本体はコンパスデッキにある
大型の船に取り付ける磁気コンパスの本体は、見通しが良い艦橋の上部甲板(コンパスデッキ)に設置されており、艦橋の天井から吊り下げられたベリスコープを覗くことで磁気コンパスが示している方位を確認するようになっている。
**部品: 回転する横長の棒のようなアンテナ
スロットアレイアンテナとは、横長の棒が回転しているような見た目の航海用のレーダーアンテナである。もう少し具体的に説明すると、マイクロ波を導波管に並んでいる切れ込み(スロット)から発射しているレーダーである。
**部品: レーダーの基本原理
レーダーとは、周囲に電波を発射して、何かにぶつかって反射して戻ってくるまでの時間を観測することで、その何かがある距離を測るものである。具体的には、光の速度を時間でかけたものを、往復するので2で割ることで距離が測れる。
**部品: マイクロ波が使われる
航海用レーダーに使われる電磁波として、マイクロ波がある。通信に使うものの中では周波数が高く波長の短い電磁波で、真っ直ぐに進む性質が強く、雨などの天候にも強い。
**部品: SバンドとXバンド
航海用レーダーとして使われる周波数帯には、主に3GHz帯のSバンドと、9GHz帯のXバンドがある。基本的に船ではこの周波数帯に対応したレーダー(SバンドレーダーやXバンドレーダー)が使われている。
**部品: パルス波(矩形波)で発射
レーダーの電波をずっと発射し続けていると、反射して戻ってきた電波がいつ発射したものか分からなくなり、きちんとした距離を測ることが出来なくなる。そこでレーダーでは電波を小刻みに発射している。このような電波をパルス波(矩形波)と呼ぶ。これによって電波の送信と受信を交互に行うことで、距離をきちんと測ることが出来る。
**部品: 傾斜したスロットで水平方向の指向性を向上
スロットアレイアンテナの導波管には、マイクロ波が発射するためのスロットが並んでいるが、このスロットは隣接するスロットに対して逆向きに傾斜している。この傾斜によって垂直方向の成分が打ち消されて、より水平方向の指向性を持った電波が発射される。なお、海面方向といった垂直方向への指向性は完全に消えたわけではない。
**部品: 方位の測定について
レーダーの基本原理のみでは、距離は測れても、反射をどの方位から受信したかが分からない。そこで、電波を水平面に幅を持たせて発射するなどの指向性のあるアンテナを使ったり、アンテナ自体を回転させることで360度をスキャン出来るようにしている。ただしこの回転は2秒で1周する程度の速度のため、一瞬で全方位を観測することは出来ない。
**部品: 船の上部に設置されている
レーダーは高い位置に設置するほど、また探知する対象に高さがあればあるほど、その探知可能な距離が向上する。そのためスロットアレイアンテナも、レーダーマストなどに設置するなど、船の上部に設置されている。
**部品: 発電機の電力でプロペラを動かす
電気推進システムは、船舶用の複数のディーゼル発電機を用いて電動機、つまりモーターを回すことで、推進力を発生させるプロペラを回転させるものである。
**部品: 複数の小型発電機
電気推進システムでは、複数の小型発電機によって電力を供給している。そのため発電機のひとつが故障しても、別の発電機でフォローすることが可能である。また、その時々の電力の負荷に合わせて稼働させる発電機の数を調整することで、無駄のない発電を行うことができる。
**部品: 配電盤からさまざまな機器に電力を送る
ディーゼル発電機から送られた電力は配電盤に送られて、そこからプロペラと接続する電動機に電力が送られるわけだが、他にも船内で必要不可欠なさまざまな電力供給に使われている。つまり電気系統が1つにまとめられているのである。
**部品: 電気制御で操作性が向上
電気推進システムによる電気制御によって、アジマススラスターといったポッド型のプロペラの制御が容易になるなど、小回りや操作性が向上している。
**部品: 船内の配置の自由度を上げる
普通の船だとエンジンとプロペラが位置的に直結していることが多く、そのためエンジンを配置する位置が限られているが、電気推進システムは電力を電動機に送りさえすればいいので、発電機の設置位置には自由度がある。甲板に設置したりしてもいいし、船体の重量バランス調整をしたり、輸送を主とする船なら積み荷のスペースを増やすことも出来る。
**部品: 騒音が少なく環境に優しい
電気推進システムは、船を電気によって動かしているので、ハイブリッドカーと同様に、排気もせず騒音が少ないという、環境に優しいクリーンなエンジンである。
**部品: プロペラへの伝達効率が悪く費用が高い
電気推進システムは、発生させた電力を配電盤や電力を調整する変換機や電動機などを介してからプロペラを動かすので、伝達効率は悪い。また電気制御系の費用が高い。
**部品: 旋回するポッド推進器
アジマススラスターとは、電動モーターが格納された繭状のポッドがスクリュープロペラと一体化したポッド推進器である。これを船尾や船底に設置して電力を供給してプロペラを回転させることによって、推進力を得るわけだ。なお、このポッド自体も旋回するので、好きな方向にスクリュープロペラを向けることが出来る。
**部品: 割と自由に設置できる
ポッド推進器は電力によって動いているため、主機すなわちエンジンとプロペラの軸を直結させる必要がない。これによってエンジンの位置に縛られることなくアジマススラスター設置できる。船尾の他に、船首のほうにもアジマススラスターを付けることも出来るぞ。
**部品: ポッドが360度旋回する
アジマススラスターのポッドは、それ自体が360度旋回することが可能である。これによって好きな方向にスクリュープロペラを向けることが出来るので、舵も不要となった。また、複数のアジマススラスターをうまく使えば、その場で前進させることなく船を360度旋回させたり、真横へ移動させたりと、さまざまな局面で操作性を向上させてくれるだろう。
**部品: 送電ケーブルで船内スペースの自由度を上げる
アジマススラスターのようなポッド推進器は、ケーブルから電力が送られてモーターを動かす。そしてケーブルは曲げたりすることが可能なのであまり邪魔にならず、船内のスペースの自由度を上げることが出来る。
**部品: 水流を受け止める船の翼
フィンスタビライザーとは、船底両舷に取り付けられたヒレ(フィン)のような横揺れ減衰装置である。船が航行する際に前方から来る相対水流に対して、フィンの角度(迎角)を調整することで揚力を発生させることで、横揺れを減衰させるものである。
**部品: 普段は船体に格納されている
フィンスタビライザーは船体からヒレのように突き出ている形であるため、狭い水路を移動する際などを考慮して、フィンが根元で折れ曲がって船体の内部に格納できるようになっている。ちょっとかっこいい。
**部品: 低速時や停船時には効果がない
フィンスタビライザーは、船が前進する際の相対水流を利用して揚力を利用する装置であるため、低速時や停船時にはほとんど効果が無い。普段は格納しておいて、横揺れが激しい時などに使用するのである。
**部品: 横揺れに対して自動で調整
フィンスタビライザーは、船の姿勢を自動で測定する装置と連動することによって、自動的に揺れを減衰される揚力を生む角度になるように制御されている。
**部品: バルバスバウ
バルバスバウとは、船首に備え付けられた球状の突起である。このバルバスバウによって船首より先に発生させた波が、船が作る造波抵抗を打ち消す形となることで、船の速度や燃料の効率などを向上させることが出来る。
**部品: ビルジキール
ビルジキールとは、船底から両舷にかけての湾曲部に取り付ける、細長いヒレ状の羽のような横揺れ防止装置のことである。横揺れが発生した時、このヒレの先端で水流が剥離して渦が発生し、その抗力がビルジキールに働くことで横揺れを減衰させるのである。
**部品: U字型の水槽
アンチローリングタンク(減揺タンク)とは、U字型の水槽のような設備である。船が横揺れした際に水槽内で水が移動することによって、その水の重さの移動を利用して横揺れを減衰させるのだ。
**部品: 弁の開閉で水を制御
アンチローリングタンクは、船の揺れを察知して自動的に弁を開閉することで、タンク内の水の流動を制御している。これによって揺れに対して水の重さで反対のモーメントを発生させて、揺れを減衰させるわけである。
**部品: 探照灯
探照灯はサーチライトとも呼ばれる、大きな丸い形のライトである。ライトの口径は20cm以上あり、強力な明かりを直線状に投射して夜間活動の光源などに使用される。ちなみに探照灯が載っている台は、上下左右に向きを変えることが出来る。船の上部に取り付けられることが多いため、船の周囲のかなりの広範囲を照らすことが可能だ。
**部品: 航海灯
航海灯とは、船同士の衝突防止などを目的として、日没から日の出までの夜間航行中に点灯が義務付けられている灯火のことである。船の中心線にある白色のマスト灯や、左舷と右舷に赤色と緑色に光る舷灯などで構成されている。これによって夜でも、その船がどちらを向いているか分かるというわけだ。
**部品: 風向風速計
尾翼の付いたプロペラのようなセンサーが特徴的な、風向きや風力を計測するための機械。センサーは360度自由に回転し、風を受ける尾翼によって風上を向き、風を受けるプロペラの回転が風力を計測するわけである。なお、船の進路や速度の影響を計算によって除いたものが記録される。
**部品: 音響測深機とは
音響測深機(エコーサウンダー)とは、船底から超音波を発射して、その反射にかかる時間によって海の深さである水深を明らかにすることに特化した機械である。ちなみに海図と見合わせることで、水深から現在地を明らかにする判断材料としても使える。水深の変化を記録することが可能なのが特徴。
**部品: 扇状に発射される超音波ビーム
通常の音響測深機では、船の直下の水深を計測するのみだが、調査船などではもっと広い範囲で水深を計る必要がある。そこで、船底から発射される超音波ビームの幅を広くして扇状に発射することで、広範囲の水深と、さらに海底の形状をスキャンするように計測できるようになった。
**部品: 水面下の情報を得ることが出来る
ソナーを使用することにより、艦船の進路の水面下にある目では見えない障害物(例えば大部分が水面下に隠れている巨大な氷山など)や移動体などを事前に察知することが出来る。これにより航海の安全性が高まる他、軍事面においては敵の魚雷や機雷、潜水艦などを探知するなどに役立つだろう。
**部品: ソナー(SONAR)の仕組み
ソナー(SONAR)とは、SOund NAvigation and Ranging(音響航法と測距)の頭文字から来ており、音波を発してその反射を捉えることで、水中の深さや距離や物体などの位置を探知する技術である。音波を自ら発して反射を捉えるものをアクティブソナー、音や反射を捉えるのみのものをパッシブソナーと呼ぶ。
**部品: 音は水中でよく響く
海中の魚群や海底の構造などを探査する場合、レーダーのように電波を飛ばした反射から情報を得ようとしても、光や電波は水中だと減衰してしまうため実用的ではない。その一方、音は大気中より水中のほうが4倍以上も伝播する。音波を飛ばして探査するソナー技術が生まれたのは、こうした背景によるものである。
**部品: 高周波と低周波
ソナーの探知範囲は、基本的に音波の周波数に左右される。低周波の音波であれば探知範囲は広く深いものとなり、高周波の場合だと探知範囲は狭く短いが、精密な探査が可能となる。
**部品: ソナー用の振動子
ソナーには、振動(音波を発振する)を電気に変換する、またはその逆を行う振動子を組み込んだ装置が備わっている。これらは圧電や磁歪の性質を持つ材料など、その藩国の技術力などに適したものが使用されている。
**部品: 海という環境による影響
レーダーなどに比べると、ソナーは海という環境の影響をとても受けやすい。海面や海底による音波の反射や、水中の温度による伝播の変化、さまざまな雑音などによるものである。これらの要素を把握、処理することがソナーには求められるが、しかし、逆に利用できることもあるかもしれない。
**部品: 海の生態系への影響に注意
大出力で低周波の音波を出すようなアクティブソナーを用いる場合、海の哺乳類の生態系に悪影響を与えないように注意しなければならない。クジラなどの海洋哺乳類は聴覚によるコミュニケーションを行うため、騒音の影響で混乱したり方向感覚を失ったりするからである。
**部品: 潮流計
潮流計は、超音波を利用して潮流の向きや速度を計測する装置である。海中に複数の層があると想定した時、潮汐や地形の影響によって、それぞれの層(深さ)では水の流れに差異が生じる。潮流計は各層に対して超音波を発射して、水中に漂うゴミやプランクトンなどの微小な浮遊物の動きを捉え、これをその層の水流として速度や向きを計測するのだ。
**部品: サブボトムプロファイラー
サブボトムプロファイラーとは、周波数の低い音波を発射することで、その反射から海底よりも少し深い層の構造を把握できる装置である。装置は船で曳航しながら使用されて記録されていく。
**部品: 地震探査システム
地震探査システムは、圧縮空気を発生させるエアガンなどを曳航しながら音波を海底に向けて発射し、人工的に微弱な地震を発生させて、その反射波を同時に曳航しているストリーマケーブルによって受信する仕組みである。反射による情報から海底火山を見つけたり、資源を見つけたりすることも出来るだろう。
**部品: 火災報知器や消火器類
船内には、あちこちに火災警報器と、よくある手持ち式の消火器や、車輪の付いた大容量の移動式消火器、消化ポンプや消化ホース、スプリンクラーなどが各所に設置されている。また、機関室などには炭酸ガスによる固定式の消火装置が重点的に設置してある。海上で火災が発生した場合、自力で対処できなければほぼ燃えるしかないため、消火設備には気を遣っている。
**部品: 浸水対策について
船の浸水対策として、各所に浸水警報装置や、水密扉や防水板、排水装置などが設置されている。排水装置は手動式から船橋などから遠隔操作が可能なものもある。他にも船体の応急処置用の材料を積んでいる。
**部品: 救命胴衣や救命ボートなどがある
非常時に備えて、秋星丸には乗員の人数分の救命胴衣(ライフジャケット)や、救命ボートなどがある。救命ボートは海でも目立つオレンジ色で塗装されている。
*提出書式
大部品: 調査船「秋星丸」 RD:63 評価値:10
-部品: 最初期に作られた調査船
-部品: 航路局の保有する公船
-部品: 秋星丸の由来
-部品: 海洋情報を集める船
-部品: いろいろな狙いがあって作られた
-大部品: 秋星丸の設備や艤装など RD:42 評価値:9
--部品: 海図と付属の道具
--部品: クロノメーター(船用基準時計)
--部品: 天測暦
--部品: 六分儀
--部品: 艦内電話
--部品: 航海情報記録装置(VDR)
--部品: 情報処理室
--大部品: ジャイロコンパス RD:3 評価値:3
---部品: 常に真北を指すコンパス
---部品: もちろん誤差もある
---部品: 電気信号で方位データを伝える
--大部品: 磁気コンパス RD:3 評価値:3
---部品: 磁力で方位を示すコンパス
---部品: 自差と偏差に注意
---部品: 本体はコンパスデッキにある
--大部品: スロットアレイアンテナ(航海用) RD:8 評価値:5
---部品: 回転する横長の棒のようなアンテナ
---部品: レーダーの基本原理
---部品: マイクロ波が使われる
---部品: SバンドとXバンド
---部品: パルス波(矩形波)で発射
---部品: 傾斜したスロットで水平方向の指向性を向上
---部品: 方位の測定について
---部品: 船の上部に設置されている
--大部品: 電気推進システム RD:7 評価値:5
---部品: 発電機の電力でプロペラを動かす
---部品: 複数の小型発電機
---部品: 配電盤からさまざまな機器に電力を送る
---部品: 電気制御で操作性が向上
---部品: 船内の配置の自由度を上げる
---部品: 騒音が少なく環境に優しい
---部品: プロペラへの伝達効率が悪く費用が高い
--大部品: アジマススラスター RD:4 評価値:3
---部品: 旋回するポッド推進器
---部品: 割と自由に設置できる
---部品: ポッドが360度旋回する
---部品: 送電ケーブルで船内スペースの自由度を上げる
--大部品: フィンスタビライザー RD:4 評価値:3
---部品: 水流を受け止める船の翼
---部品: 普段は船体に格納されている
---部品: 低速時や停船時には効果がない
---部品: 横揺れに対して自動で調整
--部品: バルバスバウ
--部品: ビルジキール
--大部品: アンチローリングタンク RD:2 評価値:2
---部品: U字型の水槽
---部品: 弁の開閉で水を制御
--部品: 探照灯
--部品: 航海灯
-大部品: 海洋観測の機材 RD:13 評価値:6
--部品: 風向風速計
--大部品: マルチビーム音響測深機 RD:9 評価値:5
---部品: 音響測深機とは
---部品: 扇状に発射される超音波ビーム
---大部品: ソナー RD:7 評価値:5
----部品: 水面下の情報を得ることが出来る
----部品: ソナー(SONAR)の仕組み
----部品: 音は水中でよく響く
----部品: 高周波と低周波
----部品: ソナー用の振動子
----部品: 海という環境による影響
----部品: 海の生態系への影響に注意
--部品: 潮流計
--部品: サブボトムプロファイラー
--部品: 地震探査システム
-大部品: 非常時の対策について RD:3 評価値:3
--部品: 火災報知器や消火器類
--部品: 浸水対策について
--部品: 救命胴衣や救命ボートなどがある
部品: 最初期に作られた調査船
秋星丸(あきほしまる)は、星風藩国の最初期に設計して造られた調査船である。まだ歴史の浅い星風藩国の最初期において、初の試みとなる造船にはさまざまな失敗や苦労があり、それらの結果としてついに完成した秋星丸は、歴史的には星風藩国で最初に造られた船とされている。
部品: 航路局の保有する公船
秋星丸は、星風藩国の政府機関である航路局が保有する、いわゆる政府の公船である。また海軍の軍事機密にも抵触する可能性を考えて、詳しいスペックや設計図などは非公開となっており、民間での造船なども許可されていない。
部品: 秋星丸の由来
星風藩国では、船に関して紅葉国から技術を学んでおり、そのため船の名前には紅や秋に関するものが多い。秋と星風で、秋星丸というわけである。
部品: 海洋情報を集める船
秋星丸は、海図を作成するために必要な海洋情報の取得を目的として建造された船である。さまざまな観測機材を載せており、海流と潮流、水質、海底の地形や底質、地磁気などの情報を取得することが可能である。
部品: いろいろな狙いがあって作られた
秋星丸は、海図の作成に必要な海洋情報の取得を第一の目的としているが、その他にも、海洋研究における貴重な情報の取得や、対潜水艦における重要情報の取得や、海底資源を発見する手がかりの発見など、そうした将来的に必要となる情報の取得も期待されて造られている。そういうわけで星風藩国の期待も大きい船であり、海図の作成以外でも、さまざまな調査のために運用される予定である。
部品: 海図と付属の道具
海図には、航路上のさまざまな情報が詰まっており、船になくてはならない道具である。なお、海図と一緒に、船の現在地を測定するのに使う2つの三角定規(二等辺三角形と直角三角形)とディバイダ―(文具のコンパス)も付属している。
部品: クロノメーター(船用基準時計)
クロノメータ(船用基準時計)は、航海において重要な時間を知るための、精度の高い時計である。船の揺れや温度の変化に影響せず、星風藩国の天文局の精度チェックにクリアしたものが使われている。また、天測航法の際には正確な時計が必要不可欠であった。
部品: 天測暦
天測航行において必要となる、天体の位置と時間の関係について書かれた表。データ化されたものと、本になっているものの両方がある。星風藩国の天文局による作成。
部品: 六分儀
天体を観測することで現在地を明らかにする天測航法において使用する道具で、水平線と天体の位置からその仰角などを明らかにするのに使用する。電気系統にトラブルがあった際に使用するのが基本だが、ジャイロコンパスなどの各種機器に誤差がないか確認したり調整するのにも使える。
部品: 艦内電話
艦内連絡を行うための電話機が各所に設置してある。艦内はそれなりに広いため、こうした連絡手段がないと何かと不便なのであった。
部品: 航海情報記録装置(VDR)
航海情報記録装置(Voyage Date Recoder)は、日付や時刻、船の位置や速力や方位、無線通信の記録など、船の各航海機器から出力されたデータを記録して、事故などを起こした際に原因を解明するための装置である。記録媒体を収めた容器は、炎や水圧、衝撃や貫通力に対して強い耐久力を持っている。
部品: 情報処理室
秋星丸には、観測機器から送られたデータを記録して閲覧、解析を行うことが可能な情報処理室がある。この設備によって、陸に戻ることなく海上にいながらある程度の研究や解析を行うことが可能となっているのだ。海洋観測ブイである、そらみる君とアクセスする機器などもある。
部品: 常に真北を指すコンパス
ジャイロコンパスとは、ジャイロスコープの方向保持性(回転の位置を保とうとする性質)と、プレセッション(ジャイロ軸に外部からモーメントを加えることで発生する歳差運動)を利用して、常に真北を指すよう調整されたコンパスのことである。磁力コンパスのように偏差を気にしなくても良く、方位信号を送るのに向いているため、方位測定の道具として優れている。なお、ジャイロコンパスには、コマ(フライホイール)を回転させる回転型や、振動する物体が回転することで発生する力を利用する振動型、光ファイバーや複数の鏡を使ってサニャック効果を利用した光学型などがある。その藩国の技術力に合わせたものが作られるだろう。
部品: もちろん誤差もある
もちろんジャイロコンパスにも誤差はある。例えば、船の速度や緯度の変化、揺れや旋回による影響を受ける。これらはジャイロコンパスの種類によっては発生しないものもあるが、これらの誤差については、誤差を修正する機器や修正表などを使ったり、メンテナンスによって対応する。
部品: 電気信号で方位データを伝える
ジャイロコンパスは電気信号で方位データを送るのに適しているため、さまざまな応用が出来る。例えば、船にジャイロ機構を備えたマスターコンパスが1つあれば、マスターコンパスからの電気信号によって動作するレピータコンパスを複数設置することで、いろいろな場所で方位を確認することが出来るようになる。また、オートパイロットやレーダーなど、さまざまな他の電子機器と連携できるという強みがある。
部品: 磁力で方位を示すコンパス
磁気コンパスは、古くから羅針盤とも呼ばれる、地磁気を利用して方位を示す磁気コンパスである。いわゆる方位磁石と原理は似ており、磁石と方位や角度が描かれたコンパスカードに浮きを付けて、コンパス用の液体の中で自由に方位を示せるようにしたものである。なお、磁気コンパスは基本的に、ジャイロコンパスが壊れたり怪しかったりする時に使われる。磁気コンパスが示すのは地理上の方角ではなく、磁極による方角だからである。ちなみに磁気コンパスは地磁気によって動いているため、電気がなくても使えるコンパスである。もし何らかの異常があってジャイロコンパスの電気系統に異常が発生しても、この磁気コンパスだけは使えるというわけである。
部品: 自差と偏差に注意
磁気コンパスは、船自体が持つ磁場の影響である自差と、磁場の極点(北磁極)と地理上の極点(北極点)の差異である偏差を計算した上で、きちんとした方位は測定しなければならない。ちなみに他にも、船の加速度の変化や旋回によって誤差が発生することもある。
部品: 本体はコンパスデッキにある
大型の船に取り付ける磁気コンパスの本体は、見通しが良い艦橋の上部甲板(コンパスデッキ)に設置されており、艦橋の天井から吊り下げられたベリスコープを覗くことで磁気コンパスが示している方位を確認するようになっている。
部品: 回転する横長の棒のようなアンテナ
スロットアレイアンテナとは、横長の棒が回転しているような見た目の航海用のレーダーアンテナである。もう少し具体的に説明すると、マイクロ波を導波管に並んでいる切れ込み(スロット)から発射しているレーダーである。
部品: レーダーの基本原理
レーダーとは、周囲に電波を発射して、何かにぶつかって反射して戻ってくるまでの時間を観測することで、その何かがある距離を測るものである。具体的には、光の速度を時間でかけたものを、往復するので2で割ることで距離が測れる。
部品: マイクロ波が使われる
航海用レーダーに使われる電磁波として、マイクロ波がある。通信に使うものの中では周波数が高く波長の短い電磁波で、真っ直ぐに進む性質が強く、雨などの天候にも強い。
部品: SバンドとXバンド
航海用レーダーとして使われる周波数帯には、主に3GHz帯のSバンドと、9GHz帯のXバンドがある。基本的に船ではこの周波数帯に対応したレーダー(SバンドレーダーやXバンドレーダー)が使われている。
部品: パルス波(矩形波)で発射
レーダーの電波をずっと発射し続けていると、反射して戻ってきた電波がいつ発射したものか分からなくなり、きちんとした距離を測ることが出来なくなる。そこでレーダーでは電波を小刻みに発射している。このような電波をパルス波(矩形波)と呼ぶ。これによって電波の送信と受信を交互に行うことで、距離をきちんと測ることが出来る。
部品: 傾斜したスロットで水平方向の指向性を向上
スロットアレイアンテナの導波管には、マイクロ波が発射するためのスロットが並んでいるが、このスロットは隣接するスロットに対して逆向きに傾斜している。この傾斜によって垂直方向の成分が打ち消されて、より水平方向の指向性を持った電波が発射される。なお、海面方向といった垂直方向への指向性は完全に消えたわけではない。
部品: 方位の測定について
レーダーの基本原理のみでは、距離は測れても、反射をどの方位から受信したかが分からない。そこで、電波を水平面に幅を持たせて発射するなどの指向性のあるアンテナを使ったり、アンテナ自体を回転させることで360度をスキャン出来るようにしている。ただしこの回転は2秒で1周する程度の速度のため、一瞬で全方位を観測することは出来ない。
部品: 船の上部に設置されている
レーダーは高い位置に設置するほど、また探知する対象に高さがあればあるほど、その探知可能な距離が向上する。そのためスロットアレイアンテナも、レーダーマストなどに設置するなど、船の上部に設置されている。
部品: 発電機の電力でプロペラを動かす
電気推進システムは、船舶用の複数のディーゼル発電機を用いて電動機、つまりモーターを回すことで、推進力を発生させるプロペラを回転させるものである。
部品: 複数の小型発電機
電気推進システムでは、複数の小型発電機によって電力を供給している。そのため発電機のひとつが故障しても、別の発電機でフォローすることが可能である。また、その時々の電力の負荷に合わせて稼働させる発電機の数を調整することで、無駄のない発電を行うことができる。
部品: 配電盤からさまざまな機器に電力を送る
ディーゼル発電機から送られた電力は配電盤に送られて、そこからプロペラと接続する電動機に電力が送られるわけだが、他にも船内で必要不可欠なさまざまな電力供給に使われている。つまり電気系統が1つにまとめられているのである。
部品: 電気制御で操作性が向上
電気推進システムによる電気制御によって、アジマススラスターといったポッド型のプロペラの制御が容易になるなど、小回りや操作性が向上している。
部品: 船内の配置の自由度を上げる
普通の船だとエンジンとプロペラが位置的に直結していることが多く、そのためエンジンを配置する位置が限られているが、電気推進システムは電力を電動機に送りさえすればいいので、発電機の設置位置には自由度がある。甲板に設置したりしてもいいし、船体の重量バランス調整をしたり、輸送を主とする船なら積み荷のスペースを増やすことも出来る。
部品: 騒音が少なく環境に優しい
電気推進システムは、船を電気によって動かしているので、ハイブリッドカーと同様に、排気もせず騒音が少ないという、環境に優しいクリーンなエンジンである。
部品: プロペラへの伝達効率が悪く費用が高い
電気推進システムは、発生させた電力を配電盤や電力を調整する変換機や電動機などを介してからプロペラを動かすので、伝達効率は悪い。また電気制御系の費用が高い。
部品: 旋回するポッド推進器
アジマススラスターとは、電動モーターが格納された繭状のポッドがスクリュープロペラと一体化したポッド推進器である。これを船尾や船底に設置して電力を供給してプロペラを回転させることによって、推進力を得るわけだ。なお、このポッド自体も旋回するので、好きな方向にスクリュープロペラを向けることが出来る。
部品: 割と自由に設置できる
ポッド推進器は電力によって動いているため、主機すなわちエンジンとプロペラの軸を直結させる必要がない。これによってエンジンの位置に縛られることなくアジマススラスター設置できる。船尾の他に、船首のほうにもアジマススラスターを付けることも出来るぞ。
部品: ポッドが360度旋回する
アジマススラスターのポッドは、それ自体が360度旋回することが可能である。これによって好きな方向にスクリュープロペラを向けることが出来るので、舵も不要となった。また、複数のアジマススラスターをうまく使えば、その場で前進させることなく船を360度旋回させたり、真横へ移動させたりと、さまざまな局面で操作性を向上させてくれるだろう。
部品: 送電ケーブルで船内スペースの自由度を上げる
アジマススラスターのようなポッド推進器は、ケーブルから電力が送られてモーターを動かす。そしてケーブルは曲げたりすることが可能なのであまり邪魔にならず、船内のスペースの自由度を上げることが出来る。
部品: 水流を受け止める船の翼
フィンスタビライザーとは、船底両舷に取り付けられたヒレ(フィン)のような横揺れ減衰装置である。船が航行する際に前方から来る相対水流に対して、フィンの角度(迎角)を調整することで揚力を発生させることで、横揺れを減衰させるものである。
部品: 普段は船体に格納されている
フィンスタビライザーは船体からヒレのように突き出ている形であるため、狭い水路を移動する際などを考慮して、フィンが根元で折れ曲がって船体の内部に格納できるようになっている。ちょっとかっこいい。
部品: 低速時や停船時には効果がない
フィンスタビライザーは、船が前進する際の相対水流を利用して揚力を利用する装置であるため、低速時や停船時にはほとんど効果が無い。普段は格納しておいて、横揺れが激しい時などに使用するのである。
部品: 横揺れに対して自動で調整
フィンスタビライザーは、船の姿勢を自動で測定する装置と連動することによって、自動的に揺れを減衰される揚力を生む角度になるように制御されている。
部品: バルバスバウ
バルバスバウとは、船首に備え付けられた球状の突起である。このバルバスバウによって船首より先に発生させた波が、船が作る造波抵抗を打ち消す形となることで、船の速度や燃料の効率などを向上させることが出来る。
部品: ビルジキール
ビルジキールとは、船底から両舷にかけての湾曲部に取り付ける、細長いヒレ状の羽のような横揺れ防止装置のことである。横揺れが発生した時、このヒレの先端で水流が剥離して渦が発生し、その抗力がビルジキールに働くことで横揺れを減衰させるのである。
部品: U字型の水槽
アンチローリングタンク(減揺タンク)とは、U字型の水槽のような設備である。船が横揺れした際に水槽内で水が移動することによって、その水の重さの移動を利用して横揺れを減衰させるのだ。
部品: 弁の開閉で水を制御
アンチローリングタンクは、船の揺れを察知して自動的に弁を開閉することで、タンク内の水の流動を制御している。これによって揺れに対して水の重さで反対のモーメントを発生させて、揺れを減衰させるわけである。
部品: 探照灯
探照灯はサーチライトとも呼ばれる、大きな丸い形のライトである。ライトの口径は20cm以上あり、強力な明かりを直線状に投射して夜間活動の光源などに使用される。ちなみに探照灯が載っている台は、上下左右に向きを変えることが出来る。船の上部に取り付けられることが多いため、船の周囲のかなりの広範囲を照らすことが可能だ。
部品: 航海灯
航海灯とは、船同士の衝突防止などを目的として、日没から日の出までの夜間航行中に点灯が義務付けられている灯火のことである。船の中心線にある白色のマスト灯や、左舷と右舷に赤色と緑色に光る舷灯などで構成されている。これによって夜でも、その船がどちらを向いているか分かるというわけだ。
部品: 風向風速計
尾翼の付いたプロペラのようなセンサーが特徴的な、風向きや風力を計測するための機械。センサーは360度自由に回転し、風を受ける尾翼によって風上を向き、風を受けるプロペラの回転が風力を計測するわけである。なお、船の進路や速度の影響を計算によって除いたものが記録される。
部品: 音響測深機とは
音響測深機(エコーサウンダー)とは、船底から超音波を発射して、その反射にかかる時間によって海の深さである水深を明らかにすることに特化した機械である。ちなみに海図と見合わせることで、水深から現在地を明らかにする判断材料としても使える。水深の変化を記録することが可能なのが特徴。
部品: 扇状に発射される超音波ビーム
通常の音響測深機では、船の直下の水深を計測するのみだが、調査船などではもっと広い範囲で水深を計る必要がある。そこで、船底から発射される超音波ビームの幅を広くして扇状に発射することで、広範囲の水深と、さらに海底の形状をスキャンするように計測できるようになった。
部品: 水面下の情報を得ることが出来る
ソナーを使用することにより、艦船の進路の水面下にある目では見えない障害物(例えば大部分が水面下に隠れている巨大な氷山など)や移動体などを事前に察知することが出来る。これにより航海の安全性が高まる他、軍事面においては敵の魚雷や機雷、潜水艦などを探知するなどに役立つだろう。
部品: ソナー(SONAR)の仕組み
ソナー(SONAR)とは、SOund NAvigation and Ranging(音響航法と測距)の頭文字から来ており、音波を発してその反射を捉えることで、水中の深さや距離や物体などの位置を探知する技術である。音波を自ら発して反射を捉えるものをアクティブソナー、音や反射を捉えるのみのものをパッシブソナーと呼ぶ。
部品: 音は水中でよく響く
海中の魚群や海底の構造などを探査する場合、レーダーのように電波を飛ばした反射から情報を得ようとしても、光や電波は水中だと減衰してしまうため実用的ではない。その一方、音は大気中より水中のほうが4倍以上も伝播する。音波を飛ばして探査するソナー技術が生まれたのは、こうした背景によるものである。
部品: 高周波と低周波
ソナーの探知範囲は、基本的に音波の周波数に左右される。低周波の音波であれば探知範囲は広く深いものとなり、高周波の場合だと探知範囲は狭く短いが、精密な探査が可能となる。
部品: ソナー用の振動子
ソナーには、振動(音波を発振する)を電気に変換する、またはその逆を行う振動子を組み込んだ装置が備わっている。これらは圧電や磁歪の性質を持つ材料など、その藩国の技術力などに適したものが使用されている。
部品: 海という環境による影響
レーダーなどに比べると、ソナーは海という環境の影響をとても受けやすい。海面や海底による音波の反射や、水中の温度による伝播の変化、さまざまな雑音などによるものである。これらの要素を把握、処理することがソナーには求められるが、しかし、逆に利用できることもあるかもしれない。
部品: 海の生態系への影響に注意
大出力で低周波の音波を出すようなアクティブソナーを用いる場合、海の哺乳類の生態系に悪影響を与えないように注意しなければならない。クジラなどの海洋哺乳類は聴覚によるコミュニケーションを行うため、騒音の影響で混乱したり方向感覚を失ったりするからである。
部品: 潮流計
潮流計は、超音波を利用して潮流の向きや速度を計測する装置である。海中に複数の層があると想定した時、潮汐や地形の影響によって、それぞれの層(深さ)では水の流れに差異が生じる。潮流計は各層に対して超音波を発射して、水中に漂うゴミやプランクトンなどの微小な浮遊物の動きを捉え、これをその層の水流として速度や向きを計測するのだ。
部品: サブボトムプロファイラー
サブボトムプロファイラーとは、周波数の低い音波を発射することで、その反射から海底よりも少し深い層の構造を把握できる装置である。装置は船で曳航しながら使用されて記録されていく。
部品: 地震探査システム
地震探査システムは、圧縮空気を発生させるエアガンなどを曳航しながら音波を海底に向けて発射し、人工的に微弱な地震を発生させて、その反射波を同時に曳航しているストリーマケーブルによって受信する仕組みである。反射による情報から海底火山を見つけたり、資源を見つけたりすることも出来るだろう。
部品: 火災報知器や消火器類
船内には、あちこちに火災警報器と、よくある手持ち式の消火器や、車輪の付いた大容量の移動式消火器、消化ポンプや消化ホース、スプリンクラーなどが各所に設置されている。また、機関室などには炭酸ガスによる固定式の消火装置が重点的に設置してある。海上で火災が発生した場合、自力で対処できなければほぼ燃えるしかないため、消火設備には気を遣っている。
部品: 浸水対策について
船の浸水対策として、各所に浸水警報装置や、水密扉や防水板、排水装置などが設置されている。排水装置は手動式から船橋などから遠隔操作が可能なものもある。他にも船体の応急処置用の材料を積んでいる。
部品: 救命胴衣や救命ボートなどがある
非常時に備えて、秋星丸には乗員の人数分の救命胴衣(ライフジャケット)や、救命ボートなどがある。救命ボートは海でも目立つオレンジ色で塗装されている。
*インポート用定義データ
[
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"title": "調査船「秋星丸」",
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"children": [
{
"title": "最初期に作られた調査船",
"description": "秋星丸(あきほしまる)は、星風藩国の最初期に設計して造られた調査船である。まだ歴史の浅い星風藩国の最初期において、初の試みとなる造船にはさまざまな失敗や苦労があり、それらの結果としてついに完成した秋星丸は、歴史的には星風藩国で最初に造られた船とされている。",
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},
{
"title": "航路局の保有する公船",
"description": "秋星丸は、星風藩国の政府機関である航路局が保有する、いわゆる政府の公船である。また海軍の軍事機密にも抵触する可能性を考えて、詳しいスペックや設計図などは非公開となっており、民間での造船なども許可されていない。",
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"localID": 2,
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},
{
"title": "秋星丸の由来",
"description": "星風藩国では、船に関して紅葉国から技術を学んでおり、そのため船の名前には紅や秋に関するものが多い。秋と星風で、秋星丸というわけである。",
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"localID": 3
},
{
"title": "海洋情報を集める船",
"description": "秋星丸は、海図を作成するために必要な海洋情報の取得を目的として建造された船である。さまざまな観測機材を載せており、海流と潮流、水質、海底の地形や底質、地磁気などの情報を取得することが可能である。",
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"localID": 4,
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},
{
"title": "いろいろな狙いがあって作られた",
"description": "秋星丸は、海図の作成に必要な海洋情報の取得を第一の目的としているが、その他にも、海洋研究における貴重な情報の取得や、対潜水艦における重要情報の取得や、海底資源を発見する手がかりの発見など、そうした将来的に必要となる情報の取得も期待されて造られている。そういうわけで星風藩国の期待も大きい船であり、海図の作成以外でも、さまざまな調査のために運用される予定である。",
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"title": "秋星丸の設備や艤装など",
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{
"title": "海図と付属の道具",
"description": "海図には、航路上のさまざまな情報が詰まっており、船になくてはならない道具である。なお、海図と一緒に、船の現在地を測定するのに使う2つの三角定規(二等辺三角形と直角三角形)とディバイダ―(文具のコンパス)も付属している。",
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},
{
"title": "クロノメーター(船用基準時計)",
"description": "クロノメータ(船用基準時計)は、航海において重要な時間を知るための、精度の高い時計である。船の揺れや温度の変化に影響せず、星風藩国の天文局の精度チェックにクリアしたものが使われている。また、天測航法の際には正確な時計が必要不可欠であった。",
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},
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"title": "天測暦",
"description": "天測航行において必要となる、天体の位置と時間の関係について書かれた表。データ化されたものと、本になっているものの両方がある。星風藩国の天文局による作成。",
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{
"title": "六分儀",
"description": "天体を観測することで現在地を明らかにする天測航法において使用する道具で、水平線と天体の位置からその仰角などを明らかにするのに使用する。電気系統にトラブルがあった際に使用するのが基本だが、ジャイロコンパスなどの各種機器に誤差がないか確認したり調整するのにも使える。",
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"title": "艦内電話",
"description": "艦内連絡を行うための電話機が各所に設置してある。艦内はそれなりに広いため、こうした連絡手段がないと何かと不便なのであった。",
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"title": "航海情報記録装置(VDR)",
"description": "航海情報記録装置(Voyage Date Recoder)は、日付や時刻、船の位置や速力や方位、無線通信の記録など、船の各航海機器から出力されたデータを記録して、事故などを起こした際に原因を解明するための装置である。記録媒体を収めた容器は、炎や水圧、衝撃や貫通力に対して強い耐久力を持っている。",
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{
"title": "情報処理室",
"description": "秋星丸には、観測機器から送られたデータを記録して閲覧、解析を行うことが可能な情報処理室がある。この設備によって、陸に戻ることなく海上にいながらある程度の研究や解析を行うことが可能となっているのだ。海洋観測ブイである、そらみる君とアクセスする機器などもある。",
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"localID": 13
},
{
"title": "ジャイロコンパス",
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{
"title": "常に真北を指すコンパス",
"description": "ジャイロコンパスとは、ジャイロスコープの方向保持性(回転の位置を保とうとする性質)と、プレセッション(ジャイロ軸に外部からモーメントを加えることで発生する歳差運動)を利用して、常に真北を指すよう調整されたコンパスのことである。磁力コンパスのように偏差を気にしなくても良く、方位信号を送るのに向いているため、方位測定の道具として優れている。なお、ジャイロコンパスには、コマ(フライホイール)を回転させる回転型や、振動する物体が回転することで発生する力を利用する振動型、光ファイバーや複数の鏡を使ってサニャック効果を利用した光学型などがある。その藩国の技術力に合わせたものが作られるだろう。",
"part_type": "part",
"localID": 15
},
{
"title": "もちろん誤差もある",
"description": "もちろんジャイロコンパスにも誤差はある。例えば、船の速度や緯度の変化、揺れや旋回による影響を受ける。これらはジャイロコンパスの種類によっては発生しないものもあるが、これらの誤差については、誤差を修正する機器や修正表などを使ったり、メンテナンスによって対応する。",
"part_type": "part",
"localID": 16
},
{
"title": "電気信号で方位データを伝える",
"description": "ジャイロコンパスは電気信号で方位データを送るのに適しているため、さまざまな応用が出来る。例えば、船にジャイロ機構を備えたマスターコンパスが1つあれば、マスターコンパスからの電気信号によって動作するレピータコンパスを複数設置することで、いろいろな場所で方位を確認することが出来るようになる。また、オートパイロットやレーダーなど、さまざまな他の電子機器と連携できるという強みがある。",
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"localID": 17
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"localID": 14,
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{
"title": "磁気コンパス",
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"title": "磁力で方位を示すコンパス",
"description": "磁気コンパスは、古くから羅針盤とも呼ばれる、地磁気を利用して方位を示す磁気コンパスである。いわゆる方位磁石と原理は似ており、磁石と方位や角度が描かれたコンパスカードに浮きを付けて、コンパス用の液体の中で自由に方位を示せるようにしたものである。なお、磁気コンパスは基本的に、ジャイロコンパスが壊れたり怪しかったりする時に使われる。磁気コンパスが示すのは地理上の方角ではなく、磁極による方角だからである。ちなみに磁気コンパスは地磁気によって動いているため、電気がなくても使えるコンパスである。もし何らかの異常があってジャイロコンパスの電気系統に異常が発生しても、この磁気コンパスだけは使えるというわけである。",
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"localID": 19
},
{
"title": "自差と偏差に注意",
"description": "磁気コンパスは、船自体が持つ磁場の影響である自差と、磁場の極点(北磁極)と地理上の極点(北極点)の差異である偏差を計算した上で、きちんとした方位は測定しなければならない。ちなみに他にも、船の加速度の変化や旋回によって誤差が発生することもある。",
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{
"title": "本体はコンパスデッキにある",
"description": "大型の船に取り付ける磁気コンパスの本体は、見通しが良い艦橋の上部甲板(コンパスデッキ)に設置されており、艦橋の天井から吊り下げられたベリスコープを覗くことで磁気コンパスが示している方位を確認するようになっている。",
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"localID": 18,
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"title": "スロットアレイアンテナ(航海用)",
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"title": "レーダーの基本原理",
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"description": "航海用レーダーに使われる電磁波として、マイクロ波がある。通信に使うものの中では周波数が高く波長の短い電磁波で、真っ直ぐに進む性質が強く、雨などの天候にも強い。",
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"title": "傾斜したスロットで水平方向の指向性を向上",
"description": "スロットアレイアンテナの導波管には、マイクロ波が発射するためのスロットが並んでいるが、このスロットは隣接するスロットに対して逆向きに傾斜している。この傾斜によって垂直方向の成分が打ち消されて、より水平方向の指向性を持った電波が発射される。なお、海面方向といった垂直方向への指向性は完全に消えたわけではない。",
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{
"title": "方位の測定について",
"description": "レーダーの基本原理のみでは、距離は測れても、反射をどの方位から受信したかが分からない。そこで、電波を水平面に幅を持たせて発射するなどの指向性のあるアンテナを使ったり、アンテナ自体を回転させることで360度をスキャン出来るようにしている。ただしこの回転は2秒で1周する程度の速度のため、一瞬で全方位を観測することは出来ない。",
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"localID": 29
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{
"title": "船の上部に設置されている",
"description": "レーダーは高い位置に設置するほど、また探知する対象に高さがあればあるほど、その探知可能な距離が向上する。そのためスロットアレイアンテナも、レーダーマストなどに設置するなど、船の上部に設置されている。",
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"description": "電気推進システムは、船舶用の複数のディーゼル発電機を用いて電動機、つまりモーターを回すことで、推進力を発生させるプロペラを回転させるものである。",
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"title": "複数の小型発電機",
"description": "電気推進システムでは、複数の小型発電機によって電力を供給している。そのため発電機のひとつが故障しても、別の発電機でフォローすることが可能である。また、その時々の電力の負荷に合わせて稼働させる発電機の数を調整することで、無駄のない発電を行うことができる。",
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"title": "配電盤からさまざまな機器に電力を送る",
"description": "ディーゼル発電機から送られた電力は配電盤に送られて、そこからプロペラと接続する電動機に電力が送られるわけだが、他にも船内で必要不可欠なさまざまな電力供給に使われている。つまり電気系統が1つにまとめられているのである。",
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"title": "電気制御で操作性が向上",
"description": "電気推進システムによる電気制御によって、アジマススラスターといったポッド型のプロペラの制御が容易になるなど、小回りや操作性が向上している。",
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"localID": 35
},
{
"title": "船内の配置の自由度を上げる",
"description": "普通の船だとエンジンとプロペラが位置的に直結していることが多く、そのためエンジンを配置する位置が限られているが、電気推進システムは電力を電動機に送りさえすればいいので、発電機の設置位置には自由度がある。甲板に設置したりしてもいいし、船体の重量バランス調整をしたり、輸送を主とする船なら積み荷のスペースを増やすことも出来る。",
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"localID": 36
},
{
"title": "騒音が少なく環境に優しい",
"description": "電気推進システムは、船を電気によって動かしているので、ハイブリッドカーと同様に、排気もせず騒音が少ないという、環境に優しいクリーンなエンジンである。",
"part_type": "part",
"localID": 37
},
{
"title": "プロペラへの伝達効率が悪く費用が高い",
"description": "電気推進システムは、発生させた電力を配電盤や電力を調整する変換機や電動機などを介してからプロペラを動かすので、伝達効率は悪い。また電気制御系の費用が高い。",
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"localID": 38
}
],
"localID": 31,
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},
{
"title": "アジマススラスター",
"description": "",
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"children": [
{
"title": "旋回するポッド推進器",
"description": "アジマススラスターとは、電動モーターが格納された繭状のポッドがスクリュープロペラと一体化したポッド推進器である。これを船尾や船底に設置して電力を供給してプロペラを回転させることによって、推進力を得るわけだ。なお、このポッド自体も旋回するので、好きな方向にスクリュープロペラを向けることが出来る。",
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"localID": 40
},
{
"title": "割と自由に設置できる",
"description": "ポッド推進器は電力によって動いているため、主機すなわちエンジンとプロペラの軸を直結させる必要がない。これによってエンジンの位置に縛られることなくアジマススラスター設置できる。船尾の他に、船首のほうにもアジマススラスターを付けることも出来るぞ。",
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"localID": 41
},
{
"title": "ポッドが360度旋回する",
"description": "アジマススラスターのポッドは、それ自体が360度旋回することが可能である。これによって好きな方向にスクリュープロペラを向けることが出来るので、舵も不要となった。また、複数のアジマススラスターをうまく使えば、その場で前進させることなく船を360度旋回させたり、真横へ移動させたりと、さまざまな局面で操作性を向上させてくれるだろう。",
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"localID": 42
},
{
"title": "送電ケーブルで船内スペースの自由度を上げる",
"description": "アジマススラスターのようなポッド推進器は、ケーブルから電力が送られてモーターを動かす。そしてケーブルは曲げたりすることが可能なのであまり邪魔にならず、船内のスペースの自由度を上げることが出来る。",
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}
],
"localID": 39,
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},
{
"title": "フィンスタビライザー",
"description": "",
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{
"title": "水流を受け止める船の翼",
"description": "フィンスタビライザーとは、船底両舷に取り付けられたヒレ(フィン)のような横揺れ減衰装置である。船が航行する際に前方から来る相対水流に対して、フィンの角度(迎角)を調整することで揚力を発生させることで、横揺れを減衰させるものである。",
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"localID": 45
},
{
"title": "普段は船体に格納されている",
"description": "フィンスタビライザーは船体からヒレのように突き出ている形であるため、狭い水路を移動する際などを考慮して、フィンが根元で折れ曲がって船体の内部に格納できるようになっている。ちょっとかっこいい。",
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},
{
"title": "低速時や停船時には効果がない",
"description": "フィンスタビライザーは、船が前進する際の相対水流を利用して揚力を利用する装置であるため、低速時や停船時にはほとんど効果が無い。普段は格納しておいて、横揺れが激しい時などに使用するのである。",
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"localID": 47
},
{
"title": "横揺れに対して自動で調整",
"description": "フィンスタビライザーは、船の姿勢を自動で測定する装置と連動することによって、自動的に揺れを減衰される揚力を生む角度になるように制御されている。",
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"localID": 48
}
],
"localID": 44,
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},
{
"title": "バルバスバウ",
"description": "バルバスバウとは、船首に備え付けられた球状の突起である。このバルバスバウによって船首より先に発生させた波が、船が作る造波抵抗を打ち消す形となることで、船の速度や燃料の効率などを向上させることが出来る。",
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"localID": 49,
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},
{
"title": "ビルジキール",
"description": "ビルジキールとは、船底から両舷にかけての湾曲部に取り付ける、細長いヒレ状の羽のような横揺れ防止装置のことである。横揺れが発生した時、このヒレの先端で水流が剥離して渦が発生し、その抗力がビルジキールに働くことで横揺れを減衰させるのである。",
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"localID": 50,
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},
{
"title": "アンチローリングタンク",
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"children": [
{
"title": "U字型の水槽",
"description": "アンチローリングタンク(減揺タンク)とは、U字型の水槽のような設備である。船が横揺れした際に水槽内で水が移動することによって、その水の重さの移動を利用して横揺れを減衰させるのだ。",
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"localID": 52
},
{
"title": "弁の開閉で水を制御",
"description": "アンチローリングタンクは、船の揺れを察知して自動的に弁を開閉することで、タンク内の水の流動を制御している。これによって揺れに対して水の重さで反対のモーメントを発生させて、揺れを減衰させるわけである。",
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}
],
"localID": 51,
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},
{
"title": "探照灯",
"description": "探照灯はサーチライトとも呼ばれる、大きな丸い形のライトである。ライトの口径は20cm以上あり、強力な明かりを直線状に投射して夜間活動の光源などに使用される。ちなみに探照灯が載っている台は、上下左右に向きを変えることが出来る。船の上部に取り付けられることが多いため、船の周囲のかなりの広範囲を照らすことが可能だ。",
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"localID": 54
},
{
"title": "航海灯",
"description": "航海灯とは、船同士の衝突防止などを目的として、日没から日の出までの夜間航行中に点灯が義務付けられている灯火のことである。船の中心線にある白色のマスト灯や、左舷と右舷に赤色と緑色に光る舷灯などで構成されている。これによって夜でも、その船がどちらを向いているか分かるというわけだ。",
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],
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{
"title": "海洋観測の機材",
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{
"title": "風向風速計",
"description": "尾翼の付いたプロペラのようなセンサーが特徴的な、風向きや風力を計測するための機械。センサーは360度自由に回転し、風を受ける尾翼によって風上を向き、風を受けるプロペラの回転が風力を計測するわけである。なお、船の進路や速度の影響を計算によって除いたものが記録される。",
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{
"title": "マルチビーム音響測深機",
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{
"title": "音響測深機とは",
"description": "音響測深機(エコーサウンダー)とは、船底から超音波を発射して、その反射にかかる時間によって海の深さである水深を明らかにすることに特化した機械である。ちなみに海図と見合わせることで、水深から現在地を明らかにする判断材料としても使える。水深の変化を記録することが可能なのが特徴。",
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},
{
"title": "扇状に発射される超音波ビーム",
"description": "通常の音響測深機では、船の直下の水深を計測するのみだが、調査船などではもっと広い範囲で水深を計る必要がある。そこで、船底から発射される超音波ビームの幅を広くして扇状に発射することで、広範囲の水深と、さらに海底の形状をスキャンするように計測できるようになった。",
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{
"title": "ソナー",
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{
"title": "水面下の情報を得ることが出来る",
"description": "ソナーを使用することにより、艦船の進路の水面下にある目では見えない障害物(例えば大部分が水面下に隠れている巨大な氷山など)や移動体などを事前に察知することが出来る。これにより航海の安全性が高まる他、軍事面においては敵の魚雷や機雷、潜水艦などを探知するなどに役立つだろう。",
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},
{
"title": "ソナー(SONAR)の仕組み",
"description": "ソナー(SONAR)とは、SOund NAvigation and Ranging(音響航法と測距)の頭文字から来ており、音波を発してその反射を捉えることで、水中の深さや距離や物体などの位置を探知する技術である。音波を自ら発して反射を捉えるものをアクティブソナー、音や反射を捉えるのみのものをパッシブソナーと呼ぶ。",
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},
{
"title": "音は水中でよく響く",
"description": "海中の魚群や海底の構造などを探査する場合、レーダーのように電波を飛ばした反射から情報を得ようとしても、光や電波は水中だと減衰してしまうため実用的ではない。その一方、音は大気中より水中のほうが4倍以上も伝播する。音波を飛ばして探査するソナー技術が生まれたのは、こうした背景によるものである。",
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{
"title": "高周波と低周波",
"description": "ソナーの探知範囲は、基本的に音波の周波数に左右される。低周波の音波であれば探知範囲は広く深いものとなり、高周波の場合だと探知範囲は狭く短いが、精密な探査が可能となる。",
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},
{
"title": "ソナー用の振動子",
"description": "ソナーには、振動(音波を発振する)を電気に変換する、またはその逆を行う振動子を組み込んだ装置が備わっている。これらは圧電や磁歪の性質を持つ材料など、その藩国の技術力などに適したものが使用されている。",
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},
{
"title": "海という環境による影響",
"description": "レーダーなどに比べると、ソナーは海という環境の影響をとても受けやすい。海面や海底による音波の反射や、水中の温度による伝播の変化、さまざまな雑音などによるものである。これらの要素を把握、処理することがソナーには求められるが、しかし、逆に利用できることもあるかもしれない。",
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"localID": 67
},
{
"title": "海の生態系への影響に注意",
"description": "大出力で低周波の音波を出すようなアクティブソナーを用いる場合、海の哺乳類の生態系に悪影響を与えないように注意しなければならない。クジラなどの海洋哺乳類は聴覚によるコミュニケーションを行うため、騒音の影響で混乱したり方向感覚を失ったりするからである。",
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"localID": 68
}
],
"localID": 61,
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}
],
"localID": 58,
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},
{
"title": "潮流計",
"description": "潮流計は、超音波を利用して潮流の向きや速度を計測する装置である。海中に複数の層があると想定した時、潮汐や地形の影響によって、それぞれの層(深さ)では水の流れに差異が生じる。潮流計は各層に対して超音波を発射して、水中に漂うゴミやプランクトンなどの微小な浮遊物の動きを捉え、これをその層の水流として速度や向きを計測するのだ。",
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"localID": 69,
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},
{
"title": "サブボトムプロファイラー",
"description": "サブボトムプロファイラーとは、周波数の低い音波を発射することで、その反射から海底よりも少し深い層の構造を把握できる装置である。装置は船で曳航しながら使用されて記録されていく。",
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"localID": 70,
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},
{
"title": "地震探査システム",
"description": "地震探査システムは、圧縮空気を発生させるエアガンなどを曳航しながら音波を海底に向けて発射し、人工的に微弱な地震を発生させて、その反射波を同時に曳航しているストリーマケーブルによって受信する仕組みである。反射による情報から海底火山を見つけたり、資源を見つけたりすることも出来るだろう。",
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"localID": 71
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],
"localID": 56,
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{
"title": "非常時の対策について",
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{
"title": "火災報知器や消火器類",
"description": "船内には、あちこちに火災警報器と、よくある手持ち式の消火器や、車輪の付いた大容量の移動式消火器、消化ポンプや消化ホース、スプリンクラーなどが各所に設置されている。また、機関室などには炭酸ガスによる固定式の消火装置が重点的に設置してある。海上で火災が発生した場合、自力で対処できなければほぼ燃えるしかないため、消火設備には気を遣っている。",
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"localID": 73
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{
"title": "浸水対策について",
"description": "船の浸水対策として、各所に浸水警報装置や、水密扉や防水板、排水装置などが設置されている。排水装置は手動式から船橋などから遠隔操作が可能なものもある。他にも船体の応急処置用の材料を積んでいる。",
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"localID": 74
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{
"title": "救命胴衣や救命ボートなどがある",
"description": "非常時に備えて、秋星丸には乗員の人数分の救命胴衣(ライフジャケット)や、救命ボートなどがある。救命ボートは海でも目立つオレンジ色で塗装されている。",
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"localID": 72,
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