*部品構造
-大部品: 紅雲級コンテナ船 RD:61 評価値:10
--部品: 紅雲級について
--部品: 紅雲という名前の由来
--部品: コンテナを運ぶ船
--部品: 港でなければ荷役が出来ない
--大部品: 半球状船首 RD:4 評価値:3
---部品: 丸い船首上部
---部品: 風圧抵抗を低減させる構造
---部品: 内部には船橋などの施設がある
---部品: 船酔いしやすい
--大部品: 紅雲級が運ぶコンテナの例と仕組み RD:12 評価値:6
---大部品: 共和国輸送用コンテナ RD:4 評価値:3
----部品: コンテナの概要説明
----部品: コンテナの共通規格化による効果
----部品: コンテナの耐久度解説
----部品: コンテナの輸送について
---大部品: リーファーコンテナ RD:3 評価値:3
----部品: 温度を維持して貨物を運ぶコンテナ
----部品: 冷蔵ユニットについて
----部品: コストが少し大きい
---大部品: 液体タンクコンテナ RD:3 評価値:3
----部品: 水や燃料などを運ぶタンクのコンテナ
----部品: タンクをフレームで囲んだ外見
----部品: 液体を運ぶための工夫
---部品: その他のコンテナについて
---部品: セルガイド
--大部品: 減揺装置 RD:7 評価値:5
---部品: バルバスバウ
---大部品: フィンスタビライザー RD:4 評価値:3
----部品: 水流を受け止める船の翼
----部品: 普段は船体に格納されている
----部品: 低速時や停船時には効果がない
----部品: 横揺れに対して自動で調整
---大部品: アンチローリングタンク RD:2 評価値:2
----部品: U字型の水槽
----部品: 弁の開閉で水を制御
--大部品: スロットアレイアンテナ(航海用) RD:8 評価値:5
---部品: 回転する横長の棒のようなアンテナ
---部品: レーダーの基本原理
---部品: マイクロ波が使われる
---部品: SバンドとXバンド
---部品: パルス波(矩形波)で発射
---部品: 傾斜したスロットで水平方向の指向性を向上
---部品: 方位の測定について
---部品: 船の上部に設置されている
--大部品: ソナー RD:7 評価値:5
---部品: 水面下の情報を得ることが出来る
---部品: ソナー(SONAR)の仕組み
---部品: 音は水中でよく響く
---部品: 高周波と低周波
---部品: ソナー用の振動子
---部品: 海という環境による影響
---部品: 海の生態系への影響に注意
--大部品: ユニフロー掃気2ストローク低速ディーゼルエンジン(大型船舶用) RD:9 評価値:5
---部品: ディーゼルエンジンとは
---部品: 爆発力を回転に
---部品: 2ストロークの理由
---部品: 構造がシンプルで整備性が良い
---部品: ユニフロー掃気方式
---部品: 重油で動く
---部品: 燃費と騒音などのデメリット
---部品: 低速での力強さに特化
---部品: 超ロングストローク構造
--大部品: サイドスラスター RD:2 評価値:2
---部品: 横への推進力を発生させる
---部品: 細かな移動や位置の調整に便利
--大部品: ゲートラダー RD:2 評価値:2
---部品: 2枚の舵板が門のように動く
---部品: 操縦性能の向上や燃費低減の効果
--大部品: 非常時の対策について RD:5 評価値:4
---部品: 消火システムについて
---部品: 浸水への対策
---大部品: 自由落下救命艇 RD:3 評価値:3
----部品: 船尾から自由落下する救命艇
----部品: 客船向きではない
----部品: 素早く脱出できるが地味に怖い
--部品: 航海灯
*部品定義
**部品: 紅雲級について
紅雲級コンテナ船は、星風藩国の設計局で建造された貿易用のコンテナ輸送船である。主に共和国の経済流通のチェーンを支えることを目的として、経済性と信頼性に重きを置いている。安価で量産性を高めている分、戦闘能力や装甲などは無いが、コンテナの種類によってさまざまな貨物を一度にたくさん運べるという強みがある。半球状船首が特徴的で、船尾にはファンネル(煙突)がある。
**部品: 紅雲という名前の由来
紅雲という名前は、分家独立後に造船など船に関する技術供与で紅葉国にお世話になったことと、雲のようにゆっくり安全に進んでいくという意味を込めて名付けられた。幸運(こううん)を運ぶ、という意味合いもある。
**部品: コンテナを運ぶ船
紅雲級はコンテナ船、すなわち共和国共通コンテナを運べることを主眼に置いた船である。共通コンテナを運搬できることによって、港の荷役作業やトラックや環状線などと連携した複合輸送など、規格が違うことによる手間を大きく削減している。
**部品: 港でなければ荷役が出来ない
紅雲級コンテナ船には、コンテナを荷役するためのデッキクレーンが付いていないため、クレーンやコンテナターミナルなどが整った港でなければ基本的に荷役は出来ない。
**部品: 丸い船首上部
半球状船首とは、船の船首上部が半球体のような形をしている構造のことである。船を正面から見たら新幹線のような感じになっていると想像すれば大体合っている。球状船首という意味では他にもバルバスバウがあるが、ここではそれとは別のものとする。
**部品: 風圧抵抗を低減させる構造
半球状船首の構造は、船の正面から来る風の抵抗を低減して、燃費を向上させる効果を狙ったものである。そのため裏側は球状になっておらず、横から見ると途中で斜めに切った楕円状の球体のような感じになっている。そのため半球状船首と呼ばれている。
**部品: 内部には船橋などの施設がある
正面から見たら新幹線のような感じの半球状船首だが、その中身は4階建ての構造になっており、かなり大きい。内部には基本的に船橋や通信室などの施設などがあり、船尾付近の機関室から距離を取ったことで居住性を向上させている。なお、レーダーなどは半球状船首の一番上に設置されている。
**部品: 船酔いしやすい
半球状船首の弱点は、船首にあるので上下方向の縦方向の揺れが激しいため、やはり他の船と比べると船酔いしやすいことである。そのため紅雲級コンテナ船に乗る船員は大体、船酔いに強い船員が選ばれている。
**部品: コンテナの概要説明
コンテナとは、金属で製造され規格化された物品輸送のための直方体の箱である。これを使用することにより複合一貫輸送と呼ばれる円滑な輸送システムを構築することが出来る。
**部品: コンテナの共通規格化による効果
海運、空輸、鉄道輸送、トラック輸送など流通のコスト削減と円滑化を目的として、コンテナのサイズは厳密に規定された複数の規格が存在する。
**部品: コンテナの耐久度解説
各国の民生技術を集結し、水濡れに強く、破損しにくく、軽量な素材を使用した頑丈なものになっており、耐用年数も長く素材の再利用も計算されたコストパフォーマンスのよいものである。
**部品: コンテナの輸送について
コンテナを運ぶためにはガントリークレーンや大型トラック、輸送貨物車などのコンテナを運ぶ機械の配備が必要となる。また、積み上げるための広いコンテナ置き場を整備する必要がある。
**部品: 温度を維持して貨物を運ぶコンテナ
リーファーコンテナとは、共和国輸送用コンテナに冷蔵庫のような温度調節の機能が備わったものである。これで肉や魚、果物や野菜など温度変化に弱い貨物を運べるわけである。もちろん規格は同じなので、共和国輸送用コンテナと同じように運ぶことが出来る。
**部品: 冷蔵ユニットについて
リーファーコンテナの冷蔵ユニットは、冷蔵庫と同じ冷媒ガスによる熱交換で内部の冷却を行う。これはコンテナ側面の装置から操作が可能で、+30℃から−20度まで設定が可能なため、冷蔵だけでなく冷凍して運ぶことも可能だ。なお、空気を入れないと傷む貨物のために調整用の空気孔も備え付けられている。装置は電源ケーブルで外部から電気を供給する以外に、リーファーコンテナ自体に発電機が備え付けられているタイプもある。
**部品: コストが少し大きい
通常の共和国輸送用コンテナと比較すると、断熱材や冷却ユニットなどでスペースを使う分、運べる容量が少し小さくなっている。また、冷却ユニットや電源供給部分の維持やメンテナンスなども含めると、通常のコンテナより運搬コストが少し大きいというデメリットがある。
**部品: 水や燃料などを運ぶタンクのコンテナ
液体タンクコンテナは、水や燃料などを運ぶタンクをコンテナのフレームで囲ったものである。共和国輸送用コンテナの規格と合わせているため、他のコンテナと同じように運搬することが出来る。
**部品: タンクをフレームで囲んだ外見
液体タンクコンテナの形状は、丸みがある円筒状のタンクを横倒しにしてフレームで四方を囲ったような外見である。あまりコンテナっぽくないが、無駄が少ない構造なのでコストなどは安価である。
**部品: 液体を運ぶための工夫
液体タンクコンテナは、タンク内部はステンレス製で、上部と側面に液体を注入口と排出口が備え付けられており、ここからドラム缶やタンクローリーなどに液体を移し替えることが出来る。他にも安全弁や空気弁、メンテナンス用のマンホール、タンク上部に登るための梯子、加温設備を利用するための蒸気孔などもある。なお、液体の温度を維持したい時のために、リーファーコンテナで使われている断熱材や冷却ユニットが備え付けられたタイプもある。
**部品: その他のコンテナについて
長尺物の貨物を運ぶために上部の開閉が可能ならオープントップコンテナや、通常のコンテナのサイズではカバーできない貨物のためのフラットラックコンテナなど、基本的に貨物に適したコンテナが使用されている。
**部品: セルガイド
セルガイドとは、船艙内にコンテナを積むスペースに設置されたガイドレールのようなもので、これに沿うことでコンテナが動いたりしないよう固定する役割を持っている。共和国輸送用コンテナと規格を合わせている。
**部品: バルバスバウ
バルバスバウとは、船首に備え付けられた球状の突起である。このバルバスバウによって船首より先に発生させた波が、船が作る造波抵抗を打ち消す形となることで、船の速度や燃料の効率などを向上させることが出来る。
**部品: 水流を受け止める船の翼
フィンスタビライザーとは、船底両舷に取り付けられたヒレ(フィン)のような横揺れ減衰装置である。船が航行する際に前方から来る相対水流に対して、フィンの角度(迎角)を調整することで揚力を発生させることで、横揺れを減衰させるものである。
**部品: 普段は船体に格納されている
フィンスタビライザーは、船が前進する際の相対水流を利用して揚力を利用する装置であるため、低速時や停船時にはほとんど効果が無い。普段は格納しておいて、横揺れが激しい時などに使用するのである。
**部品: 低速時や停船時には効果がない
フィンスタビライザーは、船が前進する際の相対水流を利用して揚力を利用する装置であるため、低速時や停船時にはほとんど効果が無い。普段は格納しておいて、横揺れが激しい時などに使用するのである。
**部品: 横揺れに対して自動で調整
フィンスタビライザーは、船の姿勢を自動で測定する装置と連動することによって、自動的に揺れを減衰される揚力を生む角度になるように制御されている。
**部品: U字型の水槽
アンチローリングタンク(減揺タンク)とは、U字型の水槽のような設備である。船が横揺れした際に水槽内で水が移動することによって、その水の重さの移動を利用して横揺れを減衰させるのだ。
**部品: 弁の開閉で水を制御
アンチローリングタンクは、船の揺れを察知して自動的に弁を開閉することで、タンク内の水の流動を制御している。これによって揺れに対して水の重さで反対のモーメントを発生させて、揺れを減衰させるわけである。
**部品: 回転する横長の棒のようなアンテナ
スロットアレイアンテナとは、横長の棒が回転しているような見た目の航海用のレーダーアンテナである。もう少し具体的に説明すると、マイクロ波を導波管に並んでいる切れ込み(スロット)から発射しているレーダーである。
**部品: レーダーの基本原理
レーダーとは、周囲に電波を発射して、何かにぶつかって反射して戻ってくるまでの時間を観測することで、その何かがある距離を測るものである。具体的には、光の速度を時間でかけたものを、往復するので2で割ることで距離が測れる。
**部品: マイクロ波が使われる
航海用レーダーに使われる電磁波として、マイクロ波がある。通信に使うものの中では周波数が高く波長の短い電磁波で、真っ直ぐに進む性質が強く、雨などの天候にも強い。
**部品: SバンドとXバンド
航海用レーダーとして使われる周波数帯には、主に3GHz帯のSバンドと、9GHz帯のXバンドがある。基本的に船ではこの周波数帯に対応したレーダー(SバンドレーダーやXバンドレーダー)が使われている。
**部品: パルス波(矩形波)で発射
レーダーの電波をずっと発射し続けていると、反射して戻ってきた電波がいつ発射したものか分からなくなり、きちんとした距離を測ることが出来なくなる。そこでレーダーでは電波を小刻みに発射している。このような電波をパルス波(矩形波)と呼ぶ。これによって電波の送信と受信を交互に行うことで、距離をきちんと測ることが出来る。
**部品: 傾斜したスロットで水平方向の指向性を向上
スロットアレイアンテナの導波管には、マイクロ波が発射するためのスロットが並んでいるが、このスロットは隣接するスロットに対して逆向きに傾斜している。この傾斜によって垂直方向の成分が打ち消されて、より水平方向の指向性を持った電波が発射される。なお、海面方向といった垂直方向への指向性は完全に消えたわけではない。
**部品: 方位の測定について
レーダーの基本原理のみでは、距離は測れても、反射をどの方位から受信したかが分からない。そこで、電波を水平面に幅を持たせて発射するなどの指向性のあるアンテナを使ったり、アンテナ自体を回転させることで360度をスキャン出来るようにしている。ただしこの回転は2秒で1周する程度の速度のため、一瞬で全方位を観測することは出来ない。
**部品: 船の上部に設置されている
レーダーは高い位置に設置するほど、また探知する対象に高さがあればあるほど、その探知可能な距離が向上する。そのためスロットアレイアンテナも、レーダーマストなどに設置するなど、船の上部に設置されている。
**部品: 水面下の情報を得ることが出来る
ソナーを使用することにより、艦船の進路の水面下にある目では見えない障害物(例えば大部分が水面下に隠れている巨大な氷山など)や移動体などを事前に察知することが出来る。これにより航海の安全性が高まる他、軍事面においては敵の魚雷や機雷、潜水艦などを探知するなどに役立つだろう。
**部品: ソナー(SONAR)の仕組み
ソナー(SONAR)とは、SOund NAvigation and Ranging(音響航法と測距)の頭文字から来ており、音波を発してその反射を捉えることで、水中の深さや距離や物体などの位置を探知する技術である。音波を自ら発して反射を捉えるものをアクティブソナー、音や反射を捉えるのみのものをパッシブソナーと呼ぶ。
**部品: 音は水中でよく響く
海中の魚群や海底の構造などを探査する場合、レーダーのように電波を飛ばした反射から情報を得ようとしても、光や電波は水中だと減衰してしまうため実用的ではない。その一方、音は大気中より水中のほうが4倍以上も伝播する。音波を飛ばして探査するソナー技術が生まれたのは、こうした背景によるものである。
**部品: 高周波と低周波
ソナーの探知範囲は、基本的に音波の周波数に左右される。低周波の音波であれば探知範囲は広く深いものとなり、高周波の場合だと探知範囲は狭く短いが、精密な探査が可能となる。
**部品: ソナー用の振動子
ソナーには、振動(音波を発振する)を電気に変換する、またはその逆を行う振動子を組み込んだ装置が備わっている。これらは圧電や磁歪の性質を持つ材料など、その藩国の技術力などに適したものが使用されている。
**部品: 海という環境による影響
レーダーなどに比べると、ソナーは海という環境の影響をとても受けやすい。海面や海底による音波の反射や、水中の温度による伝播の変化、さまざまな雑音などによるものである。これらの要素を把握、処理することがソナーには求められるが、しかし、逆に利用できることもあるかもしれない。
**部品: 海の生態系への影響に注意
大出力で低周波の音波を出すようなアクティブソナーを用いる場合、海の哺乳類の生態系に悪影響を与えないように注意しなければならない。クジラなどの海洋哺乳類は聴覚によるコミュニケーションを行うため、騒音の影響で混乱したり方向感覚を失ったりするからである。
**部品: ディーゼルエンジンとは
エンジンとは、ガソリンや軽油などの燃料をエンジン内部で噴出して着火、爆発させることでエネルギーを得てピストンを押し、それによって動力を得る機関である。ディーゼルエンジンは軽油や重油などを燃料にするエンジンで、バスやトラックや船や戦車など、大型の乗り物に向いているエンジンである。
**部品: 爆発力を回転に
エンジンは、その内部で燃料と空気を混ぜて爆発させてピストンを押し、そこから最終的にクランクシャフトが回転の運動に変えることで、乗り物のタイヤやスクリュープロペラを回しているわけである。なお、ディーゼルエンジンは最初の爆発工程で、高温の圧縮空気に燃料を噴射して自然着火させている。
**部品: 2ストロークの理由
4ストロークエンジンの内部では、ピストン運動が2往復する間に、吸気・圧縮・燃焼・排気の工程が発生するが、2ストロークエンジンの場合は吸気と排気が同時に行われるため、ピストン運動は1往復で済む。よって4ストロークと比較して2ストロークは力強いパワーを出すことが出来る。
**部品: 構造がシンプルで整備性が良い
4ストロークエンジンと比べると、2ストロークエンジンは構造がシンプルで整備性が良い。これは船の場合、海上でエンジントラブルが発生した場合の修理に向いているということでもある。
**部品: ユニフロー掃気方式
ユニフロー掃気とは、エンジンのシリンダー内への吸排気が下方から上方への単流(ユニフロー)となっている形式のことである。シリンダー側面などから吸排気を行うと燃焼ガスが残留する可能性があったが、ユニフロー掃気の場合はしっかりとした排気が行われることで、燃焼効率や燃費が良くなる効果がある。
**部品: 重油で動く
船舶用のディーゼルエンジンは、石油などを精製する際の残り物である重油を燃料として動いている。つまり、低品質だが低価格の燃料で動くことが出来るため、燃料を大量に消費する船にとって、この費用効果は大きい。なお、船舶用の重油はきちんと予熱して不純物を取り除いたものが使用される。
**部品: 燃費と騒音などのデメリット
4ストロークエンジンと比べると、2ストロークエンジンはパワーが出る分、高速になるほど燃料消費が激しいため燃費が悪く、騒音が大きい。また排気ガスによる環境問題などが発生する。
**部品: 低速での力強さに特化
船舶用のディーゼルエンジンは、エンジンの回転数によって低速、中速、高速に分けられるが、一般的には毎分100回転前後の低速であるほうが船の推進効率が高いとされている。大雑把に言うと、低回転でもスクリュープロペラが大きければそれでよく進み、また速度を求めると燃料消費が跳ね上がるからである。そうした理由から、低回転で高出力を求めて設計されたのが、低速ディーゼルエンジンである。
**部品: 超ロングストローク構造
超ロングストローク構造とは、エンジン内部のシリンダーのストローク行程とシリンダーの内径(ボア)の比率から導き出されるボアストローク比が4以上であることを示している。つまりシリンダーの内径に対して、上下する長さがとても長い。そのため長時間、粘りのあるパワーを出せるため、低回転で高出力を発揮したい船舶などには適している。
**部品: 横への推進力を発生させる
サイドスラスターとは、船を横方向に移動させるための推進装置である。具体的には船体下部の左右に貫通するトンネルを作り、そこにプロペラを取り付けたものである。
**部品: 細かな移動や位置の調整に便利
サイドスラスターは基本的には船首や船尾にあるものだが、もっと複数を取り付ける場合もある。サイドスラスターを取り付ける狙いは、船の細かな移動や位置の調整のためであり、特に細心の注意を払わなければいけない接岸や離岸の際には役に立つ。なお、船首部分にあるものはバウスラスター、船尾部分にあるものはスターンスラスターと呼ばれる。
**部品: 2枚の舵板が門のように動く
ゲートラダーとは、スクリュープロペラが生んだ推進力を進みたい方向に調整するための舵板(ラダー)が、スクリュープロペラを左右で囲む2つで1つの門のような構造になっているものである。左右の舵板がそれぞれ独立して稼働するため、推進力を幅広く活用することが出来る。
**部品: 操縦性能の向上や燃費低減の効果
従来の舵板はスクリュープロペラの後方に設置されており、その影響でどうしても抵抗が発生してしまう。そこで舵板を左右2つに割った門のような形にしてそれぞれ動かすことで、舵板の位置をプロペラの隣にして抵抗を消したり、左右の門の位置をそれぞれ調整することで推進力の幅広い利用が可能になった。これにより操縦性能の向上や燃費低減の効果が発生するわけである。なお、サイドスラスターを併用すればさらに操作性能や旋回性能も向上するだろう。
**部品: 消火システムについて
船内には、あちこちに火災警報器と、よくある手持ち式の消火器や、車輪の付いた大容量の移動式消火器、消化ポンプや消化ホース、スプリンクラーなどが各所に設置されている。また、船艙や機関室などには炭酸ガスによる固定式の消火装置が重点的に設置してある。海上で火災が発生した場合、自力で対処できなければほぼ燃えるしかないため、消火設備には気を遣っている。
**部品: 浸水への対策
船の浸水対策として、各所に浸水警報装置や、水密扉や防水板、排水装置などが設置されている。排水装置は手動式から船橋などから遠隔操作が可能なものもある。他にも船体の応急処置用の材料を積んでいる。
**部品: 船尾から自由落下する救命艇
自由落下救命艇とは、船尾から投下するタイプの救命艇である。船の側面に救命艇を設置すると、船の傾く方向によっては使用できなくなる。また、船に速度がある場合、救命艇を下ろすと水が入って転覆する危険性がある。そこで船尾から投下する形の救命艇が作られた。なお、内部には非常用の食糧や飲料水、医療キットや発煙信号などがあり、6ノットほどで移動することが出来る。
**部品: 客船向きではない
自由落下救命艇は、設置が船尾に限定される関係上、多くの乗員がいる客船では定員分の数を揃えられないというデメリットがある。
**部品: 素早く脱出できるが地味に怖い
自由落下救命艇は、船尾から投下する関係で素早く脱出できるが、高所から落下、着水して少し潜水する過程ではそれなりの衝撃があるため、地味に怖い。なお、乗員は船の落下方向に対して背中を向けてシートベルトをして座ることで、人体への衝撃を和らげている。
**部品: 航海灯
航海灯とは、船同士の衝突防止などを目的として、日没から日の出までの夜間航行中に点灯が義務付けられている灯火のことである。船の中心線にある白色のマスト灯や、左舷と右舷に赤色と緑色に光る舷灯などで構成されている。これによって夜でも、その船がどちらを向いているか分かるというわけだ。
*提出書式
大部品: 紅雲級コンテナ船 RD:61 評価値:10
-部品: 紅雲級について
-部品: 紅雲という名前の由来
-部品: コンテナを運ぶ船
-部品: 港でなければ荷役が出来ない
-大部品: 半球状船首 RD:4 評価値:3
--部品: 丸い船首上部
--部品: 風圧抵抗を低減させる構造
--部品: 内部には船橋などの施設がある
--部品: 船酔いしやすい
-大部品: 紅雲級が運ぶコンテナの例と仕組み RD:12 評価値:6
--大部品: 共和国輸送用コンテナ RD:4 評価値:3
---部品: コンテナの概要説明
---部品: コンテナの共通規格化による効果
---部品: コンテナの耐久度解説
---部品: コンテナの輸送について
--大部品: リーファーコンテナ RD:3 評価値:3
---部品: 温度を維持して貨物を運ぶコンテナ
---部品: 冷蔵ユニットについて
---部品: コストが少し大きい
--大部品: 液体タンクコンテナ RD:3 評価値:3
---部品: 水や燃料などを運ぶタンクのコンテナ
---部品: タンクをフレームで囲んだ外見
---部品: 液体を運ぶための工夫
--部品: その他のコンテナについて
--部品: セルガイド
-大部品: 減揺装置 RD:7 評価値:5
--部品: バルバスバウ
--大部品: フィンスタビライザー RD:4 評価値:3
---部品: 水流を受け止める船の翼
---部品: 普段は船体に格納されている
---部品: 低速時や停船時には効果がない
---部品: 横揺れに対して自動で調整
--大部品: アンチローリングタンク RD:2 評価値:2
---部品: U字型の水槽
---部品: 弁の開閉で水を制御
-大部品: スロットアレイアンテナ(航海用) RD:8 評価値:5
--部品: 回転する横長の棒のようなアンテナ
--部品: レーダーの基本原理
--部品: マイクロ波が使われる
--部品: SバンドとXバンド
--部品: パルス波(矩形波)で発射
--部品: 傾斜したスロットで水平方向の指向性を向上
--部品: 方位の測定について
--部品: 船の上部に設置されている
-大部品: ソナー RD:7 評価値:5
--部品: 水面下の情報を得ることが出来る
--部品: ソナー(SONAR)の仕組み
--部品: 音は水中でよく響く
--部品: 高周波と低周波
--部品: ソナー用の振動子
--部品: 海という環境による影響
--部品: 海の生態系への影響に注意
-大部品: ユニフロー掃気2ストローク低速ディーゼルエンジン(大型船舶用) RD:9 評価値:5
--部品: ディーゼルエンジンとは
--部品: 爆発力を回転に
--部品: 2ストロークの理由
--部品: 構造がシンプルで整備性が良い
--部品: ユニフロー掃気方式
--部品: 重油で動く
--部品: 燃費と騒音などのデメリット
--部品: 低速での力強さに特化
--部品: 超ロングストローク構造
-大部品: サイドスラスター RD:2 評価値:2
--部品: 横への推進力を発生させる
--部品: 細かな移動や位置の調整に便利
-大部品: ゲートラダー RD:2 評価値:2
--部品: 2枚の舵板が門のように動く
--部品: 操縦性能の向上や燃費低減の効果
-大部品: 非常時の対策について RD:5 評価値:4
--部品: 消火システムについて
--部品: 浸水への対策
--大部品: 自由落下救命艇 RD:3 評価値:3
---部品: 船尾から自由落下する救命艇
---部品: 客船向きではない
---部品: 素早く脱出できるが地味に怖い
-部品: 航海灯
部品: 紅雲級について
紅雲級コンテナ船は、星風藩国の設計局で建造された貿易用のコンテナ輸送船である。主に共和国の経済流通のチェーンを支えることを目的として、経済性と信頼性に重きを置いている。安価で量産性を高めている分、戦闘能力や装甲などは無いが、コンテナの種類によってさまざまな貨物を一度にたくさん運べるという強みがある。半球状船首が特徴的で、船尾にはファンネル(煙突)がある。
部品: 紅雲という名前の由来
紅雲という名前は、分家独立後に造船など船に関する技術供与で紅葉国にお世話になったことと、雲のようにゆっくり安全に進んでいくという意味を込めて名付けられた。幸運(こううん)を運ぶ、という意味合いもある。
部品: コンテナを運ぶ船
紅雲級はコンテナ船、すなわち共和国共通コンテナを運べることを主眼に置いた船である。共通コンテナを運搬できることによって、港の荷役作業やトラックや環状線などと連携した複合輸送など、規格が違うことによる手間を大きく削減している。
部品: 港でなければ荷役が出来ない
紅雲級コンテナ船には、コンテナを荷役するためのデッキクレーンが付いていないため、クレーンやコンテナターミナルなどが整った港でなければ基本的に荷役は出来ない。
部品: 丸い船首上部
半球状船首とは、船の船首上部が半球体のような形をしている構造のことである。船を正面から見たら新幹線のような感じになっていると想像すれば大体合っている。球状船首という意味では他にもバルバスバウがあるが、ここではそれとは別のものとする。
部品: 風圧抵抗を低減させる構造
半球状船首の構造は、船の正面から来る風の抵抗を低減して、燃費を向上させる効果を狙ったものである。そのため裏側は球状になっておらず、横から見ると途中で斜めに切った楕円状の球体のような感じになっている。そのため半球状船首と呼ばれている。
部品: 内部には船橋などの施設がある
正面から見たら新幹線のような感じの半球状船首だが、その中身は4階建ての構造になっており、かなり大きい。内部には基本的に船橋や通信室などの施設などがあり、船尾付近の機関室から距離を取ったことで居住性を向上させている。なお、レーダーなどは半球状船首の一番上に設置されている。
部品: 船酔いしやすい
半球状船首の弱点は、船首にあるので上下方向の縦方向の揺れが激しいため、やはり他の船と比べると船酔いしやすいことである。そのため紅雲級コンテナ船に乗る船員は大体、船酔いに強い船員が選ばれている。
部品: コンテナの概要説明
コンテナとは、金属で製造され規格化された物品輸送のための直方体の箱である。これを使用することにより複合一貫輸送と呼ばれる円滑な輸送システムを構築することが出来る。
部品: コンテナの共通規格化による効果
海運、空輸、鉄道輸送、トラック輸送など流通のコスト削減と円滑化を目的として、コンテナのサイズは厳密に規定された複数の規格が存在する。
部品: コンテナの耐久度解説
各国の民生技術を集結し、水濡れに強く、破損しにくく、軽量な素材を使用した頑丈なものになっており、耐用年数も長く素材の再利用も計算されたコストパフォーマンスのよいものである。
部品: コンテナの輸送について
コンテナを運ぶためにはガントリークレーンや大型トラック、輸送貨物車などのコンテナを運ぶ機械の配備が必要となる。また、積み上げるための広いコンテナ置き場を整備する必要がある。
部品: 温度を維持して貨物を運ぶコンテナ
リーファーコンテナとは、共和国輸送用コンテナに冷蔵庫のような温度調節の機能が備わったものである。これで肉や魚、果物や野菜など温度変化に弱い貨物を運べるわけである。もちろん規格は同じなので、共和国輸送用コンテナと同じように運ぶことが出来る。
部品: 冷蔵ユニットについて
リーファーコンテナの冷蔵ユニットは、冷蔵庫と同じ冷媒ガスによる熱交換で内部の冷却を行う。これはコンテナ側面の装置から操作が可能で、+30℃から−20度まで設定が可能なため、冷蔵だけでなく冷凍して運ぶことも可能だ。なお、空気を入れないと傷む貨物のために調整用の空気孔も備え付けられている。装置は電源ケーブルで外部から電気を供給する以外に、リーファーコンテナ自体に発電機が備え付けられているタイプもある。
部品: コストが少し大きい
通常の共和国輸送用コンテナと比較すると、断熱材や冷却ユニットなどでスペースを使う分、運べる容量が少し小さくなっている。また、冷却ユニットや電源供給部分の維持やメンテナンスなども含めると、通常のコンテナより運搬コストが少し大きいというデメリットがある。
部品: 水や燃料などを運ぶタンクのコンテナ
液体タンクコンテナは、水や燃料などを運ぶタンクをコンテナのフレームで囲ったものである。共和国輸送用コンテナの規格と合わせているため、他のコンテナと同じように運搬することが出来る。
部品: タンクをフレームで囲んだ外見
液体タンクコンテナの形状は、丸みがある円筒状のタンクを横倒しにしてフレームで四方を囲ったような外見である。あまりコンテナっぽくないが、無駄が少ない構造なのでコストなどは安価である。
部品: 液体を運ぶための工夫
液体タンクコンテナは、タンク内部はステンレス製で、上部と側面に液体を注入口と排出口が備え付けられており、ここからドラム缶やタンクローリーなどに液体を移し替えることが出来る。他にも安全弁や空気弁、メンテナンス用のマンホール、タンク上部に登るための梯子、加温設備を利用するための蒸気孔などもある。なお、液体の温度を維持したい時のために、リーファーコンテナで使われている断熱材や冷却ユニットが備え付けられたタイプもある。
部品: その他のコンテナについて
長尺物の貨物を運ぶために上部の開閉が可能ならオープントップコンテナや、通常のコンテナのサイズではカバーできない貨物のためのフラットラックコンテナなど、基本的に貨物に適したコンテナが使用されている。
部品: セルガイド
セルガイドとは、船艙内にコンテナを積むスペースに設置されたガイドレールのようなもので、これに沿うことでコンテナが動いたりしないよう固定する役割を持っている。共和国輸送用コンテナと規格を合わせている。
部品: バルバスバウ
バルバスバウとは、船首に備え付けられた球状の突起である。このバルバスバウによって船首より先に発生させた波が、船が作る造波抵抗を打ち消す形となることで、船の速度や燃料の効率などを向上させることが出来る。
部品: 水流を受け止める船の翼
フィンスタビライザーとは、船底両舷に取り付けられたヒレ(フィン)のような横揺れ減衰装置である。船が航行する際に前方から来る相対水流に対して、フィンの角度(迎角)を調整することで揚力を発生させることで、横揺れを減衰させるものである。
部品: 普段は船体に格納されている
フィンスタビライザーは、船が前進する際の相対水流を利用して揚力を利用する装置であるため、低速時や停船時にはほとんど効果が無い。普段は格納しておいて、横揺れが激しい時などに使用するのである。
部品: 低速時や停船時には効果がない
フィンスタビライザーは、船が前進する際の相対水流を利用して揚力を利用する装置であるため、低速時や停船時にはほとんど効果が無い。普段は格納しておいて、横揺れが激しい時などに使用するのである。
部品: 横揺れに対して自動で調整
フィンスタビライザーは、船の姿勢を自動で測定する装置と連動することによって、自動的に揺れを減衰される揚力を生む角度になるように制御されている。
部品: U字型の水槽
アンチローリングタンク(減揺タンク)とは、U字型の水槽のような設備である。船が横揺れした際に水槽内で水が移動することによって、その水の重さの移動を利用して横揺れを減衰させるのだ。
部品: 弁の開閉で水を制御
アンチローリングタンクは、船の揺れを察知して自動的に弁を開閉することで、タンク内の水の流動を制御している。これによって揺れに対して水の重さで反対のモーメントを発生させて、揺れを減衰させるわけである。
部品: 回転する横長の棒のようなアンテナ
スロットアレイアンテナとは、横長の棒が回転しているような見た目の航海用のレーダーアンテナである。もう少し具体的に説明すると、マイクロ波を導波管に並んでいる切れ込み(スロット)から発射しているレーダーである。
部品: レーダーの基本原理
レーダーとは、周囲に電波を発射して、何かにぶつかって反射して戻ってくるまでの時間を観測することで、その何かがある距離を測るものである。具体的には、光の速度を時間でかけたものを、往復するので2で割ることで距離が測れる。
部品: マイクロ波が使われる
航海用レーダーに使われる電磁波として、マイクロ波がある。通信に使うものの中では周波数が高く波長の短い電磁波で、真っ直ぐに進む性質が強く、雨などの天候にも強い。
部品: SバンドとXバンド
航海用レーダーとして使われる周波数帯には、主に3GHz帯のSバンドと、9GHz帯のXバンドがある。基本的に船ではこの周波数帯に対応したレーダー(SバンドレーダーやXバンドレーダー)が使われている。
部品: パルス波(矩形波)で発射
レーダーの電波をずっと発射し続けていると、反射して戻ってきた電波がいつ発射したものか分からなくなり、きちんとした距離を測ることが出来なくなる。そこでレーダーでは電波を小刻みに発射している。このような電波をパルス波(矩形波)と呼ぶ。これによって電波の送信と受信を交互に行うことで、距離をきちんと測ることが出来る。
部品: 傾斜したスロットで水平方向の指向性を向上
スロットアレイアンテナの導波管には、マイクロ波が発射するためのスロットが並んでいるが、このスロットは隣接するスロットに対して逆向きに傾斜している。この傾斜によって垂直方向の成分が打ち消されて、より水平方向の指向性を持った電波が発射される。なお、海面方向といった垂直方向への指向性は完全に消えたわけではない。
部品: 方位の測定について
レーダーの基本原理のみでは、距離は測れても、反射をどの方位から受信したかが分からない。そこで、電波を水平面に幅を持たせて発射するなどの指向性のあるアンテナを使ったり、アンテナ自体を回転させることで360度をスキャン出来るようにしている。ただしこの回転は2秒で1周する程度の速度のため、一瞬で全方位を観測することは出来ない。
部品: 船の上部に設置されている
レーダーは高い位置に設置するほど、また探知する対象に高さがあればあるほど、その探知可能な距離が向上する。そのためスロットアレイアンテナも、レーダーマストなどに設置するなど、船の上部に設置されている。
部品: 水面下の情報を得ることが出来る
ソナーを使用することにより、艦船の進路の水面下にある目では見えない障害物(例えば大部分が水面下に隠れている巨大な氷山など)や移動体などを事前に察知することが出来る。これにより航海の安全性が高まる他、軍事面においては敵の魚雷や機雷、潜水艦などを探知するなどに役立つだろう。
部品: ソナー(SONAR)の仕組み
ソナー(SONAR)とは、SOund NAvigation and Ranging(音響航法と測距)の頭文字から来ており、音波を発してその反射を捉えることで、水中の深さや距離や物体などの位置を探知する技術である。音波を自ら発して反射を捉えるものをアクティブソナー、音や反射を捉えるのみのものをパッシブソナーと呼ぶ。
部品: 音は水中でよく響く
海中の魚群や海底の構造などを探査する場合、レーダーのように電波を飛ばした反射から情報を得ようとしても、光や電波は水中だと減衰してしまうため実用的ではない。その一方、音は大気中より水中のほうが4倍以上も伝播する。音波を飛ばして探査するソナー技術が生まれたのは、こうした背景によるものである。
部品: 高周波と低周波
ソナーの探知範囲は、基本的に音波の周波数に左右される。低周波の音波であれば探知範囲は広く深いものとなり、高周波の場合だと探知範囲は狭く短いが、精密な探査が可能となる。
部品: ソナー用の振動子
ソナーには、振動(音波を発振する)を電気に変換する、またはその逆を行う振動子を組み込んだ装置が備わっている。これらは圧電や磁歪の性質を持つ材料など、その藩国の技術力などに適したものが使用されている。
部品: 海という環境による影響
レーダーなどに比べると、ソナーは海という環境の影響をとても受けやすい。海面や海底による音波の反射や、水中の温度による伝播の変化、さまざまな雑音などによるものである。これらの要素を把握、処理することがソナーには求められるが、しかし、逆に利用できることもあるかもしれない。
部品: 海の生態系への影響に注意
大出力で低周波の音波を出すようなアクティブソナーを用いる場合、海の哺乳類の生態系に悪影響を与えないように注意しなければならない。クジラなどの海洋哺乳類は聴覚によるコミュニケーションを行うため、騒音の影響で混乱したり方向感覚を失ったりするからである。
部品: ディーゼルエンジンとは
エンジンとは、ガソリンや軽油などの燃料をエンジン内部で噴出して着火、爆発させることでエネルギーを得てピストンを押し、それによって動力を得る機関である。ディーゼルエンジンは軽油や重油などを燃料にするエンジンで、バスやトラックや船や戦車など、大型の乗り物に向いているエンジンである。
部品: 爆発力を回転に
エンジンは、その内部で燃料と空気を混ぜて爆発させてピストンを押し、そこから最終的にクランクシャフトが回転の運動に変えることで、乗り物のタイヤやスクリュープロペラを回しているわけである。なお、ディーゼルエンジンは最初の爆発工程で、高温の圧縮空気に燃料を噴射して自然着火させている。
部品: 2ストロークの理由
4ストロークエンジンの内部では、ピストン運動が2往復する間に、吸気・圧縮・燃焼・排気の工程が発生するが、2ストロークエンジンの場合は吸気と排気が同時に行われるため、ピストン運動は1往復で済む。よって4ストロークと比較して2ストロークは力強いパワーを出すことが出来る。
部品: 構造がシンプルで整備性が良い
4ストロークエンジンと比べると、2ストロークエンジンは構造がシンプルで整備性が良い。これは船の場合、海上でエンジントラブルが発生した場合の修理に向いているということでもある。
部品: ユニフロー掃気方式
ユニフロー掃気とは、エンジンのシリンダー内への吸排気が下方から上方への単流(ユニフロー)となっている形式のことである。シリンダー側面などから吸排気を行うと燃焼ガスが残留する可能性があったが、ユニフロー掃気の場合はしっかりとした排気が行われることで、燃焼効率や燃費が良くなる効果がある。
部品: 重油で動く
船舶用のディーゼルエンジンは、石油などを精製する際の残り物である重油を燃料として動いている。つまり、低品質だが低価格の燃料で動くことが出来るため、燃料を大量に消費する船にとって、この費用効果は大きい。なお、船舶用の重油はきちんと予熱して不純物を取り除いたものが使用される。
部品: 燃費と騒音などのデメリット
4ストロークエンジンと比べると、2ストロークエンジンはパワーが出る分、高速になるほど燃料消費が激しいため燃費が悪く、騒音が大きい。また排気ガスによる環境問題などが発生する。
部品: 低速での力強さに特化
船舶用のディーゼルエンジンは、エンジンの回転数によって低速、中速、高速に分けられるが、一般的には毎分100回転前後の低速であるほうが船の推進効率が高いとされている。大雑把に言うと、低回転でもスクリュープロペラが大きければそれでよく進み、また速度を求めると燃料消費が跳ね上がるからである。そうした理由から、低回転で高出力を求めて設計されたのが、低速ディーゼルエンジンである。
部品: 超ロングストローク構造
超ロングストローク構造とは、エンジン内部のシリンダーのストローク行程とシリンダーの内径(ボア)の比率から導き出されるボアストローク比が4以上であることを示している。つまりシリンダーの内径に対して、上下する長さがとても長い。そのため長時間、粘りのあるパワーを出せるため、低回転で高出力を発揮したい船舶などには適している。
部品: 横への推進力を発生させる
サイドスラスターとは、船を横方向に移動させるための推進装置である。具体的には船体下部の左右に貫通するトンネルを作り、そこにプロペラを取り付けたものである。
部品: 細かな移動や位置の調整に便利
サイドスラスターは基本的には船首や船尾にあるものだが、もっと複数を取り付ける場合もある。サイドスラスターを取り付ける狙いは、船の細かな移動や位置の調整のためであり、特に細心の注意を払わなければいけない接岸や離岸の際には役に立つ。なお、船首部分にあるものはバウスラスター、船尾部分にあるものはスターンスラスターと呼ばれる。
部品: 2枚の舵板が門のように動く
ゲートラダーとは、スクリュープロペラが生んだ推進力を進みたい方向に調整するための舵板(ラダー)が、スクリュープロペラを左右で囲む2つで1つの門のような構造になっているものである。左右の舵板がそれぞれ独立して稼働するため、推進力を幅広く活用することが出来る。
部品: 操縦性能の向上や燃費低減の効果
従来の舵板はスクリュープロペラの後方に設置されており、その影響でどうしても抵抗が発生してしまう。そこで舵板を左右2つに割った門のような形にしてそれぞれ動かすことで、舵板の位置をプロペラの隣にして抵抗を消したり、左右の門の位置をそれぞれ調整することで推進力の幅広い利用が可能になった。これにより操縦性能の向上や燃費低減の効果が発生するわけである。なお、サイドスラスターを併用すればさらに操作性能や旋回性能も向上するだろう。
部品: 消火システムについて
船内には、あちこちに火災警報器と、よくある手持ち式の消火器や、車輪の付いた大容量の移動式消火器、消化ポンプや消化ホース、スプリンクラーなどが各所に設置されている。また、船艙や機関室などには炭酸ガスによる固定式の消火装置が重点的に設置してある。海上で火災が発生した場合、自力で対処できなければほぼ燃えるしかないため、消火設備には気を遣っている。
部品: 浸水への対策
船の浸水対策として、各所に浸水警報装置や、水密扉や防水板、排水装置などが設置されている。排水装置は手動式から船橋などから遠隔操作が可能なものもある。他にも船体の応急処置用の材料を積んでいる。
部品: 船尾から自由落下する救命艇
自由落下救命艇とは、船尾から投下するタイプの救命艇である。船の側面に救命艇を設置すると、船の傾く方向によっては使用できなくなる。また、船に速度がある場合、救命艇を下ろすと水が入って転覆する危険性がある。そこで船尾から投下する形の救命艇が作られた。なお、内部には非常用の食糧や飲料水、医療キットや発煙信号などがあり、6ノットほどで移動することが出来る。
部品: 客船向きではない
自由落下救命艇は、設置が船尾に限定される関係上、多くの乗員がいる客船では定員分の数を揃えられないというデメリットがある。
部品: 素早く脱出できるが地味に怖い
自由落下救命艇は、船尾から投下する関係で素早く脱出できるが、高所から落下、着水して少し潜水する過程ではそれなりの衝撃があるため、地味に怖い。なお、乗員は船の落下方向に対して背中を向けてシートベルトをして座ることで、人体への衝撃を和らげている。
部品: 航海灯
航海灯とは、船同士の衝突防止などを目的として、日没から日の出までの夜間航行中に点灯が義務付けられている灯火のことである。船の中心線にある白色のマスト灯や、左舷と右舷に赤色と緑色に光る舷灯などで構成されている。これによって夜でも、その船がどちらを向いているか分かるというわけだ。
*インポート用定義データ
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"title": "紅雲級について",
"description": "紅雲級コンテナ船は、星風藩国の設計局で建造された貿易用のコンテナ輸送船である。主に共和国の経済流通のチェーンを支えることを目的として、経済性と信頼性に重きを置いている。安価で量産性を高めている分、戦闘能力や装甲などは無いが、コンテナの種類によってさまざまな貨物を一度にたくさん運べるという強みがある。半球状船首が特徴的で、船尾にはファンネル(煙突)がある。",
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"title": "紅雲という名前の由来",
"description": "紅雲という名前は、分家独立後に造船など船に関する技術供与で紅葉国にお世話になったことと、雲のようにゆっくり安全に進んでいくという意味を込めて名付けられた。幸運(こううん)を運ぶ、という意味合いもある。",
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"title": "コンテナを運ぶ船",
"description": "紅雲級はコンテナ船、すなわち共和国共通コンテナを運べることを主眼に置いた船である。共通コンテナを運搬できることによって、港の荷役作業やトラックや環状線などと連携した複合輸送など、規格が違うことによる手間を大きく削減している。",
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"title": "港でなければ荷役が出来ない",
"description": "紅雲級コンテナ船には、コンテナを荷役するためのデッキクレーンが付いていないため、クレーンやコンテナターミナルなどが整った港でなければ基本的に荷役は出来ない。",
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"title": "半球状船首",
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"title": "丸い船首上部",
"description": "半球状船首とは、船の船首上部が半球体のような形をしている構造のことである。船を正面から見たら新幹線のような感じになっていると想像すれば大体合っている。球状船首という意味では他にもバルバスバウがあるが、ここではそれとは別のものとする。",
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"title": "風圧抵抗を低減させる構造",
"description": "半球状船首の構造は、船の正面から来る風の抵抗を低減して、燃費を向上させる効果を狙ったものである。そのため裏側は球状になっておらず、横から見ると途中で斜めに切った楕円状の球体のような感じになっている。そのため半球状船首と呼ばれている。",
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{
"title": "内部には船橋などの施設がある",
"description": "正面から見たら新幹線のような感じの半球状船首だが、その中身は4階建ての構造になっており、かなり大きい。内部には基本的に船橋や通信室などの施設などがあり、船尾付近の機関室から距離を取ったことで居住性を向上させている。なお、レーダーなどは半球状船首の一番上に設置されている。",
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{
"title": "船酔いしやすい",
"description": "半球状船首の弱点は、船首にあるので上下方向の縦方向の揺れが激しいため、やはり他の船と比べると船酔いしやすいことである。そのため紅雲級コンテナ船に乗る船員は大体、船酔いに強い船員が選ばれている。",
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"title": "紅雲級が運ぶコンテナの例と仕組み",
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"title": "コンテナの共通規格化による効果",
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"title": "コンテナの耐久度解説",
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"title": "コンテナの輸送について",
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{
"title": "SバンドとXバンド",
"description": "航海用レーダーとして使われる周波数帯には、主に3GHz帯のSバンドと、9GHz帯のXバンドがある。基本的に船ではこの周波数帯に対応したレーダー(SバンドレーダーやXバンドレーダー)が使われている。",
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},
{
"title": "パルス波(矩形波)で発射",
"description": "レーダーの電波をずっと発射し続けていると、反射して戻ってきた電波がいつ発射したものか分からなくなり、きちんとした距離を測ることが出来なくなる。そこでレーダーでは電波を小刻みに発射している。このような電波をパルス波(矩形波)と呼ぶ。これによって電波の送信と受信を交互に行うことで、距離をきちんと測ることが出来る。",
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"localID": 41
},
{
"title": "傾斜したスロットで水平方向の指向性を向上",
"description": "スロットアレイアンテナの導波管には、マイクロ波が発射するためのスロットが並んでいるが、このスロットは隣接するスロットに対して逆向きに傾斜している。この傾斜によって垂直方向の成分が打ち消されて、より水平方向の指向性を持った電波が発射される。なお、海面方向といった垂直方向への指向性は完全に消えたわけではない。",
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},
{
"title": "方位の測定について",
"description": "レーダーの基本原理のみでは、距離は測れても、反射をどの方位から受信したかが分からない。そこで、電波を水平面に幅を持たせて発射するなどの指向性のあるアンテナを使ったり、アンテナ自体を回転させることで360度をスキャン出来るようにしている。ただしこの回転は2秒で1周する程度の速度のため、一瞬で全方位を観測することは出来ない。",
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},
{
"title": "船の上部に設置されている",
"description": "レーダーは高い位置に設置するほど、また探知する対象に高さがあればあるほど、その探知可能な距離が向上する。そのためスロットアレイアンテナも、レーダーマストなどに設置するなど、船の上部に設置されている。",
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{
"title": "ソナー",
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{
"title": "水面下の情報を得ることが出来る",
"description": "ソナーを使用することにより、艦船の進路の水面下にある目では見えない障害物(例えば大部分が水面下に隠れている巨大な氷山など)や移動体などを事前に察知することが出来る。これにより航海の安全性が高まる他、軍事面においては敵の魚雷や機雷、潜水艦などを探知するなどに役立つだろう。",
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},
{
"title": "ソナー(SONAR)の仕組み",
"description": "ソナー(SONAR)とは、SOund NAvigation and Ranging(音響航法と測距)の頭文字から来ており、音波を発してその反射を捉えることで、水中の深さや距離や物体などの位置を探知する技術である。音波を自ら発して反射を捉えるものをアクティブソナー、音や反射を捉えるのみのものをパッシブソナーと呼ぶ。",
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},
{
"title": "音は水中でよく響く",
"description": "海中の魚群や海底の構造などを探査する場合、レーダーのように電波を飛ばした反射から情報を得ようとしても、光や電波は水中だと減衰してしまうため実用的ではない。その一方、音は大気中より水中のほうが4倍以上も伝播する。音波を飛ばして探査するソナー技術が生まれたのは、こうした背景によるものである。",
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},
{
"title": "高周波と低周波",
"description": "ソナーの探知範囲は、基本的に音波の周波数に左右される。低周波の音波であれば探知範囲は広く深いものとなり、高周波の場合だと探知範囲は狭く短いが、精密な探査が可能となる。",
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},
{
"title": "ソナー用の振動子",
"description": "ソナーには、振動(音波を発振する)を電気に変換する、またはその逆を行う振動子を組み込んだ装置が備わっている。これらは圧電や磁歪の性質を持つ材料など、その藩国の技術力などに適したものが使用されている。",
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},
{
"title": "海という環境による影響",
"description": "レーダーなどに比べると、ソナーは海という環境の影響をとても受けやすい。海面や海底による音波の反射や、水中の温度による伝播の変化、さまざまな雑音などによるものである。これらの要素を把握、処理することがソナーには求められるが、しかし、逆に利用できることもあるかもしれない。",
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},
{
"title": "海の生態系への影響に注意",
"description": "大出力で低周波の音波を出すようなアクティブソナーを用いる場合、海の哺乳類の生態系に悪影響を与えないように注意しなければならない。クジラなどの海洋哺乳類は聴覚によるコミュニケーションを行うため、騒音の影響で混乱したり方向感覚を失ったりするからである。",
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],
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{
"title": "ユニフロー掃気2ストローク低速ディーゼルエンジン(大型船舶用)",
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{
"title": "ディーゼルエンジンとは",
"description": "エンジンとは、ガソリンや軽油などの燃料をエンジン内部で噴出して着火、爆発させることでエネルギーを得てピストンを押し、それによって動力を得る機関である。ディーゼルエンジンは軽油や重油などを燃料にするエンジンで、バスやトラックや船や戦車など、大型の乗り物に向いているエンジンである。",
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},
{
"title": "爆発力を回転に",
"description": "エンジンは、その内部で燃料と空気を混ぜて爆発させてピストンを押し、そこから最終的にクランクシャフトが回転の運動に変えることで、乗り物のタイヤやスクリュープロペラを回しているわけである。なお、ディーゼルエンジンは最初の爆発工程で、高温の圧縮空気に燃料を噴射して自然着火させている。",
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},
{
"title": "2ストロークの理由",
"description": "4ストロークエンジンの内部では、ピストン運動が2往復する間に、吸気・圧縮・燃焼・排気の工程が発生するが、2ストロークエンジンの場合は吸気と排気が同時に行われるため、ピストン運動は1往復で済む。よって4ストロークと比較して2ストロークは力強いパワーを出すことが出来る。",
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{
"title": "構造がシンプルで整備性が良い",
"description": "4ストロークエンジンと比べると、2ストロークエンジンは構造がシンプルで整備性が良い。これは船の場合、海上でエンジントラブルが発生した場合の修理に向いているということでもある。",
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},
{
"title": "ユニフロー掃気方式",
"description": "ユニフロー掃気とは、エンジンのシリンダー内への吸排気が下方から上方への単流(ユニフロー)となっている形式のことである。シリンダー側面などから吸排気を行うと燃焼ガスが残留する可能性があったが、ユニフロー掃気の場合はしっかりとした排気が行われることで、燃焼効率や燃費が良くなる効果がある。",
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},
{
"title": "重油で動く",
"description": "船舶用のディーゼルエンジンは、石油などを精製する際の残り物である重油を燃料として動いている。つまり、低品質だが低価格の燃料で動くことが出来るため、燃料を大量に消費する船にとって、この費用効果は大きい。なお、船舶用の重油はきちんと予熱して不純物を取り除いたものが使用される。",
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{
"title": "燃費と騒音などのデメリット",
"description": "4ストロークエンジンと比べると、2ストロークエンジンはパワーが出る分、高速になるほど燃料消費が激しいため燃費が悪く、騒音が大きい。また排気ガスによる環境問題などが発生する。",
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{
"title": "低速での力強さに特化",
"description": "船舶用のディーゼルエンジンは、エンジンの回転数によって低速、中速、高速に分けられるが、一般的には毎分100回転前後の低速であるほうが船の推進効率が高いとされている。大雑把に言うと、低回転でもスクリュープロペラが大きければそれでよく進み、また速度を求めると燃料消費が跳ね上がるからである。そうした理由から、低回転で高出力を求めて設計されたのが、低速ディーゼルエンジンである。",
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{
"title": "超ロングストローク構造",
"description": "超ロングストローク構造とは、エンジン内部のシリンダーのストローク行程とシリンダーの内径(ボア)の比率から導き出されるボアストローク比が4以上であることを示している。つまりシリンダーの内径に対して、上下する長さがとても長い。そのため長時間、粘りのあるパワーを出せるため、低回転で高出力を発揮したい船舶などには適している。",
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{
"title": "サイドスラスター",
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{
"title": "横への推進力を発生させる",
"description": "サイドスラスターとは、船を横方向に移動させるための推進装置である。具体的には船体下部の左右に貫通するトンネルを作り、そこにプロペラを取り付けたものである。",
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{
"title": "細かな移動や位置の調整に便利",
"description": "サイドスラスターは基本的には船首や船尾にあるものだが、もっと複数を取り付ける場合もある。サイドスラスターを取り付ける狙いは、船の細かな移動や位置の調整のためであり、特に細心の注意を払わなければいけない接岸や離岸の際には役に立つ。なお、船首部分にあるものはバウスラスター、船尾部分にあるものはスターンスラスターと呼ばれる。",
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{
"title": "ゲートラダー",
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{
"title": "2枚の舵板が門のように動く",
"description": "ゲートラダーとは、スクリュープロペラが生んだ推進力を進みたい方向に調整するための舵板(ラダー)が、スクリュープロペラを左右で囲む2つで1つの門のような構造になっているものである。左右の舵板がそれぞれ独立して稼働するため、推進力を幅広く活用することが出来る。",
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{
"title": "操縦性能の向上や燃費低減の効果",
"description": "従来の舵板はスクリュープロペラの後方に設置されており、その影響でどうしても抵抗が発生してしまう。そこで舵板を左右2つに割った門のような形にしてそれぞれ動かすことで、舵板の位置をプロペラの隣にして抵抗を消したり、左右の門の位置をそれぞれ調整することで推進力の幅広い利用が可能になった。これにより操縦性能の向上や燃費低減の効果が発生するわけである。なお、サイドスラスターを併用すればさらに操作性能や旋回性能も向上するだろう。",
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{
"title": "非常時の対策について",
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"title": "消火システムについて",
"description": "船内には、あちこちに火災警報器と、よくある手持ち式の消火器や、車輪の付いた大容量の移動式消火器、消化ポンプや消化ホース、スプリンクラーなどが各所に設置されている。また、船艙や機関室などには炭酸ガスによる固定式の消火装置が重点的に設置してある。海上で火災が発生した場合、自力で対処できなければほぼ燃えるしかないため、消火設備には気を遣っている。",
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{
"title": "浸水への対策",
"description": "船の浸水対策として、各所に浸水警報装置や、水密扉や防水板、排水装置などが設置されている。排水装置は手動式から船橋などから遠隔操作が可能なものもある。他にも船体の応急処置用の材料を積んでいる。",
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{
"title": "自由落下救命艇",
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{
"title": "船尾から自由落下する救命艇",
"description": "自由落下救命艇とは、船尾から投下するタイプの救命艇である。船の側面に救命艇を設置すると、船の傾く方向によっては使用できなくなる。また、船に速度がある場合、救命艇を下ろすと水が入って転覆する危険性がある。そこで船尾から投下する形の救命艇が作られた。なお、内部には非常用の食糧や飲料水、医療キットや発煙信号などがあり、6ノットほどで移動することが出来る。",
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"title": "客船向きではない",
"description": "自由落下救命艇は、設置が船尾に限定される関係上、多くの乗員がいる客船では定員分の数を揃えられないというデメリットがある。",
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"title": "素早く脱出できるが地味に怖い",
"description": "自由落下救命艇は、船尾から投下する関係で素早く脱出できるが、高所から落下、着水して少し潜水する過程ではそれなりの衝撃があるため、地味に怖い。なお、乗員は船の落下方向に対して背中を向けてシートベルトをして座ることで、人体への衝撃を和らげている。",
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"localID": 61,
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"title": "航海灯",
"description": "航海灯とは、船同士の衝突防止などを目的として、日没から日の出までの夜間航行中に点灯が義務付けられている灯火のことである。船の中心線にある白色のマスト灯や、左舷と右舷に赤色と緑色に光る舷灯などで構成されている。これによって夜でも、その船がどちらを向いているか分かるというわけだ。",
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